「ディオール(DIOR)」は11月28日、伊勢丹新宿本店メンズ館1階のプロモーションスペースに、世界最速でキム・ジョーンズ(Kim Jones)=メンズ アーティスティック・ディレクターによる2019年サマーのカプセル・コレクションを販売するポップアップストアをオープンした。日本限定商品などは事前予約を受け付け、朝から並ばなくても購入できる体制を整えたが、キムの直筆サイン入りTシャツなどの超・限定アイテムを含め、約150人が行列を作り注目度の高さを伺わせた。転売ヤーと思われる人は少なく、中国含めたアジアのキム・ジョーンズのファンが多かった印象だ。
店内は、アーティストのカウズ(KAWS)によるビー(ハチ)の巨大電飾が眩しい空間。ビーは、ちょうど改装中の同館1階の壁面のほか、メンズ館正面入り口のウィンドウや床も彩っている。そのビーのモチーフと「DIOR」のロゴがポップなTシャツやスエット、ブルゾン、ボディーバッグは、白ロゴが日本限定商品。ただいずれの商品も早々に事前の予約受注終了しており、店頭に並ぶ数はきわめて少なそうだ。そのほかは、メゾンにとってアイコニックなモチーフ、“オブリーク”柄のスニーカーや、ジョン・ガリアーノ(John Galliano)が生み出した“サドルバッグ”をキムらしくストリートにアレンジしたボディーバッグ、YOONによるジュエリーなどを販売している。
オープン前には、キムも来店。ビーの電飾の前でモデルとのフォトコールやメディアとの質疑応答に応じた。合間には、電飾や、振舞われたコーヒーのカップに刻んだ「DIOR」のロゴなどをスマホで撮影するなど、キムらしい一面も垣間見せた。
2週間のポップアップの推定売り上げは、(商品が欠品しなければ)「WWDジャパン」推定で7億円前後。初日の行列の長さこそ「ルイ・ヴィトン(LOUIS VUITTON)」時代のキムによるコレクションのポップアップに及ばなかったが、「ディオール」というメゾンの顧客と長年のキムファンによる客単価は高く、一度に数千万円の買い物をする人も現れそうだ。同館は、ジェンダーレスなアイテムが多いことから女性客にも期待する。実際、行列に並んでいた日本人女性は、「千葉から来て、朝8時くらいから並び始めました。キムもカウズも好きなので、ピンクのビーのモチーフが入った日本限定スエットを狙っています。店内に入るキムの姿を見て、興奮しました」と語った。
19年サマーのカプセル・コレクションは、29日には銀座の旗艦店ハウス・オブ・ディオールでも発売。30日には東京で19年プレ・フォール・コレクションのランウエイショーを開催する。