眼鏡フレームの国内生産の95%以上を占める福井県の鯖江市産眼鏡の技術力とデザイン力をアピールする消費者向け眼鏡イベント「トウキョウ メガネ フェスティバル(TOKYO MEGANE FESTIVAL)―新しいめがねの可能性に触れる3日間―」が東京・青山で初めて開催された。
福井県の最大手シャルマンをはじめ、老舗のアイテック、青山眼鏡など26社が参加。11月30日に、南青山のCOMMUNE2ndで行われたオープニングパーティーでは、来場者に福井県の銘酒「梵(ぼん)」をふるまい、10月に国内最大の国際眼鏡展「IOFT」で発表した新作を展示し、眼鏡を掛けた姿をプロのカメラマンが撮影するサービスなどを行った。12月1日と2日は、青山通り沿いにある国際連合大学1階の広場で、従来行われてる産地直送の食材を販売する「ファーマーズマーケット(Farmer’s Market)」と、東京のビンテージショップが出店するフリーマーケット「ROW TOKYO(ロウトーキョー)」が並ぶエリアで眼鏡を展示・販売し、相乗効果もあって多くの来場者が足を止めた。「ROW TOKYO」とは協業し、参加企業のボストンクラブ、水島眼鏡、KISSO(キッソオ)が代官山のビンテージショップ、Aquvil(アクビ)とのコラボレーション・モデルを限定販売するなど、新しい試みも披露した。会期中、IOFT並みの約1万4500人が来場する盛況ぶりだった。
同イベントは、前福井県眼鏡協会協会長の黒田一郎アイテック会長が会頭を務める鯖江商工会議所が主催し、福井県眼鏡協会が協賛して開催された。中村修一・鯖江市副市長は「眼鏡は鯖江市の基幹産業だ。このイベントを通して、さらに成長すること、新しい可能性が生まれることを期待している」と話した。竹内良造・福井県眼鏡協会協会長(竹内光学工業・代表取締役会長)は、「これまでできていなかったB to Cのアプローチを初めて実現できた。鯖江産眼鏡の技術力やこだわりを多くの消費者に広めるという目的は達成できたと思う。鯖江の眼鏡企業が手掛けるハウスブランドの売り上げ増を期待している。形式は変わるかもしれないが、来年も継続したい。福井県産眼鏡をブランド化していく」と語った。
福井県の眼鏡産業は1905年、地元の実業家の増永五左衛門が農閑期の副業として創始した。鯖江市には約500社の眼鏡関連企業が集積し、就業人口の6人に1人が眼鏡関連の仕事に従事している。