三越伊勢丹ホールディングス(HD)は、子会社の三越伊勢丹旅行、ニッコウトラベル、ニッコウ企画を2019年4月1日付けで統合し、社名を三越伊勢丹ニッコウトラベルに変更する。統合によって、ニッコウトラベルの強みである自社添乗員が帯同する海外旅行などのノウハウを共有。百貨店事業で掴んでいるシニアを中心とした優良顧客に対して、独自性の高い旅行企画を提案する。
モノからコトへと消費者の興味が変化しつつある中で、三越伊勢丹HDはコト提案の一つとして旅行事業の強化を進めてきた。15年に三越伊勢丹旅行を設立し、17年にニッコウトラベルとその子会社で旅行パンフレットなどの制作を行うニッコウ企画を買収・グループ化していた。
ニッコウトラベルはシニア層向けの海外旅行を得意としており、豪華客船でのクルーズ旅行などを手掛ける。三越伊勢丹旅行は、“極上のバス旅”と呼ぶ少人数制の国内バス旅行に強みがある。「これまでは、それぞれの強みの掛け合わせができていなかった。統合によって、同じ窓口で、同じ担当者からお客さまにより幅広い旅行企画の提案ができる」(広報担当者)という。
まず、ニッコウ企画をニッコウトラベルに吸収合併し、その後にニッコウトラベルを三越伊勢丹旅行に吸収、社名変更する。18年10月時点での社員数は三越伊勢丹旅行が約130人、ニッコウトラベル、ニッコウ企画が合計で95人前後。
三越伊勢丹HDは現在、10月24日に第1期リニューアルオープンした三越日本橋本店を皮切りに、店頭顧客情報のデジタルでの蓄積に注力している。データが溜まれば、そこから顧客の嗜好に合わせたよりきめ細かな旅行提案なども可能になり、百貨店事業とのシナジーの拡大を見込む。