TSIホールディングスは、2019年3月1日付で子会社の東京スタイルが展開する6ブランドのうち4ブランドを子会社のサンエー・インターナショナルに移管し、2月末で2ブランドの国内事業を終了する。東京スタイルの前身は1946年に創業し、百貨店の婦人服事業で一時代を築いてきた老舗アパレルだが、その歴史に一旦区切りをつけて休眠会社になる。
12日のTSIの取締役会で決議された。東京スタイルからサンエー・インターナショナルに譲渡されるのは「ナチュラルビューティー(NATURAL BEAUTY)」「ピンキー&ダイアン(PINKY & DIANNE)」「ボッシュ(BOSCH)」「トウキョウスタイリスト ザ ワンエディション(TOKYO STYLIST THE ONE EDITION)」、国内事業を止めるのは「ヴァンドゥー・オクトーブル(22 OCTOBRE)」および「アリスバーリー(AYLESBURY)」。「ヴァンドゥー・オクトーブル」の中国での事業は継続する。
TSIは2011年6月に旧東京スタイルと旧サンエー・インターナショナルが経営統合して誕生。大手アパレルの統合は大きな話題になったが、その後、収益悪化が表面化し、ブランドや店舗の統廃合など大規模なリストラを余儀なくされてきた。構造改革には一応のメドをつけたものの、厳しい市場環境を生き抜くためにさらなる合理化が必要と判断したようだ。
現在の東京スタイルは14年3月のTSIグループ内の会社分割によって新会社として設立され、旧東京スタイルと旧サンエー・インターナショナル両社の百貨店向けブランドを集めた企業体としてスタートした。17年3月にサンエー・インターナショナルと管理機能を統合し、18年9月からはサンエー・インターナショナルの松田浩一・社長が東京スタイルの社長職を兼任するなど、業務効率の改善に取り組んできた。今回の再編によって百貨店向けブランドはサンエー・インターナショナルに一本化されることになる。
一連のリストラと今回の再編によって、旧東京スタイルがM&Aしたナノ・ユニバースやローズバッドなどを除けば、旧東京スタイル本体が運営してきた全てのブランドが国内市場からは消えることになる。