現在放送中のNHKの朝ドラ「まんぷく」に香田タカ役で出演し、注目を集める、女優の岸井ゆきの。来春公開予定の「愛がなんだ」でも主人公のテルコを演じるなど、ますます女優としての存在感を高めている。今回、女優になった意外なきっかけから、仕事、ファッション、美容のことまでを語ってもらった。
WWD:岸井さんが芸能界に入ったきっかけは?
岸井ゆきの(以下、岸井):すごい偶然なんです。電車に乗っていた時に、女性フォトグラファーの方に「写真のモデルになってくれませんか?」って声をかけられたんです。高校3年生の時だったんですけど。それからその方と撮影をするようになって、「事務所を探しているなら」って紹介してもらったのが、今の事務所(ユマニテ)だったんです。
WWD:それまで芸能界に興味はあった?
岸井:その時は何になりたいか、自分でもよく分かっていなかったんです。保育士とか美容師、バリスタとかにも興味があったりして。電車で声をかけてもらった時は、ちょうどバリスタの学校に見学に行く途中でした。
WWD:実際に女優の仕事を始めてみてどう感じた?
岸井:女優という職業に対しては、特に先入観はなかったです。最初の頃は演じていて、毎回「そうなんだ」って新しい発見があってすごく新鮮だったことを覚えています。
WWD:現在、NHKの朝ドラ「まんぷく」に出演して、注目されているが?
岸井:今まで朝ドラのオーディションは4~5回ほど受けてきたんですが、「まんぷく」が初の朝ドラ出演になります。NHK大阪の制作なので、今は大阪に住みながら撮影して、週末に仕事があると東京に戻ってくる、という生活を送っています。現場は合宿みたいな和気あいあいとした雰囲気で、撮影は大変ですが、とにかく毎日楽しいです。
WWD:現在26歳の岸井さんが14歳の香田タカ役を演じるということで、ネットでは話題になったが?
岸井:妹弟役の役者さんと一緒にいると自分も子どもに戻った感じがして。普段から会話も楽しんでいるので、違和感なくやれているんだと思います(笑)。朝ドラは撮影期間も長く、その役がだんだん成長していくので、他のドラマより役になじんでいきやすいような気がしています。今後は大人のタカちゃんも見てもらえると思います!
WWD:神奈川県出身で大阪弁を話すのは大変なのでは?
岸井:大阪弁は方言指導の先生がいて、教えてもらっています。台本を先に読むと自己流のエセ大阪弁になってしまうので、まずは先生の話し方を聞いて、そこから覚えていくようにしています。最近は少しだけ慣れてきたので、勝手にアレンジして「やり過ぎ」って怒られたりして(笑)。ふとした会話に大阪弁が混じったりするようになりました。
WWD:「まんぷく」以外では、来春公開の「愛がなんだ」でも主演のテルコ役を務めるが?
岸井:角田光代さんの原作を映画化した作品です。最初に角田さんの原作を熟読し、それから台本を読んで、自分のトーンで演じることができる役なのかなってだんだんと思うようになりました。
WWD:役のテルコに共感できる部分はあった?
岸井:自分の仕事を辞めてまで好きな人に会いに行くとか極端な部分はなかなか共感しにくかったのですが、「その熱量は分かる!」と思う部分もありました。どこかうらやましいところがあって……私にはできないなって。公開は来春の予定ですが、撮影は2018年6月で、ちょうど朝ドラに入る直前に撮影していました。
WWD:現在も違う撮影をやっていると思うが、役の切り替えはできている?
岸井:具体的な方法があるわけではないので説明が難しいのですが、できていると思います。たぶん、大阪から東京へ移動する間に、「まんぷく」のタカちゃんから離れているんだと思います。