「イケア(IKEA)」は15日、翌日に発売を控えるヴァージル・アブロー(Virgil Abloh)とコラボレーションした4種のラグコレクション“STILL LOADING”の発売記念イベントを東京・天王洲の寺田倉庫で開催した。同イベントは9月にパリでも開催されており、今回が2度目。ヴァージルたっての希望で、東京開催が決まったという。
「ラグのあるべき場所は床なのか」という疑問に立ち返り、天井にラグを設置し床に鏡を敷くことで、まるでラグを歩いているかのような錯覚におちいるスペースや、ラグ自体を壁にかけるように設置するなど、それぞれのラグが工夫を凝らした演出で展示された。さらに、来年11月に発売が予定されているコラボ家具コレクション“マルケラッド(MARKERAD)”のプロトタイプも披露。“初めて1人暮らしするミレニアル世代が必要とするメニュー”をテーマに、置くことができるものが限られる狭い部屋で有効活用できるようにあえて、高さを低くしてソファーとしても使えるベッドや、アート作品でありながら部屋を明るく照らすこともできるモナリザの絵画風ライト、ドアストッパーがついた椅子など、機能性に優れた約11点が並んだ。
イベントでは、ヴァージルと「イケア」でクリエイティブ・リーダーを務めるヘンリック・モスト(Henrik Most)の対談も開催。ヴァージルとのコラボについてヘンリックは、「彼とは2016年にミラノで行われた『イケア』のイベントで出会った。私がずっと考えていた“ミレニアル世代に向けたコレクションが作りたい”という点ですぐに意気投合し、恋に落ちたかのような気分だったのを覚えている(笑)。ミレニアル世代は欲しいものがはっきりしていて、ただの家具を作るだけではなく、スニーカーのように熱狂が生まれるものじゃないと惹かれない。そして家具を通して、『優れたデザインとは何か』を伝えたかった。彼にはそれができると思いコラボすることになり、企画がスタートした」と述べた。続けて「当初は“マルケラッド”のみを発売する予定だったが、コラボを発表した途端世界中から連絡が来た。しかし、安全性の問題などから発売を早めることができず、追加で“STILL LOADING”の発売を決めた」とヴァージルの影響力の高さを身をもって体感したことを明かした。
「今回のコラボに最も魅力を感じたのは、子どもを含めたより多くの人々にデザインを提供できるということだった。ミレニアル世代をターゲットとした理由は、一人暮らしを始めようとする若者が多いから。誰しもが初めて買ったCDやアート作品を覚えているように、初めて家具を買ったときのことを忘れないでほしくてデザインした。今回のコレクションを買った若者たちのその後の人生に、いい影響を与えられればいいと思っている」(ヴァージル)。
対談後には、ヴァージルの大ファンだというコブクロの黒田俊介を招いた関係者向けのトークショーも行われ、「普段から『オフ-ホワイト』の洋服を着ているが、着るだけでテンションが上がる。同じように“マルケラッド”の椅子も見ているだけでテンションが上がる(笑)。一人のファンとして発売を楽しみにしている」と“ヴァージル愛”を話した。
なお同イベントは先行販売会も兼ねていたこともあり、全国から約1万人が応募。約150人が当選し、会場ではその中からさらに抽選が行われ、約90人がラグを購入することができた。見事手にすることができた石川県から来た男性は、「もともと東京に遊びに来る予定で、向かっているときに当選メールに気づいた。『オフ-ホワイト』の大ファンだから本当にうれしい。ただラグが大きすぎて東京観光には邪魔なので、とりあえず家に発送する(笑)」と笑顔を見せた。
“STILL LOADING”は明日、公式オンラインストアを除く全国の「イケア」で販売される。価格は“STILL LOADING”(140cm × 200cm)が1万4990円(税込)、「立ち入り禁止」の文字が印象的なペルシャ柄の“KEEP OFF”(133cm × 195cm)が2万9990円(税込)、「グレー」と書かれながらもブラックがベースの“GREY”(133cm × 195cm)が2万9990円(税込)、同じく「ブルー」と書かれながらもレッドがベースの“BLUE”(200cm × 250cm)が4万9990円(税込)で、「イケア」のメンバーシップクラブ「イケア ファミリー(IKEA FAMILY)」会員だと、5000〜1万円値引きされる。