2019年春夏の展示会を回っている中で、エレガントで素敵なデザイン、そして履いていて快適なフラットシューズに出合いました。パリ発のシューズブランド「シャテル(CHATELLES)」です。
サードカルチャーが代理店として2019年春夏から日本でも発売することになった「シャテル」は、12年に銀行マンだったフランソワ・ドゥ・シャステル(Francois du Chastel)がスタートしたブランド。設立のきっかけは、恋する彼女のために特別なプレゼントを贈ろうと自分でデザインしたシューズを作ったことから。「もはや長い間、君と離れていることはできない」というヴィクトル・ユゴー(Victor Hugo)の詩をシューズの内側に刻んで贈ったという、なんともパリジャンらしいロマンチックなストーリーです。でも彼女はそのシューズと共に去ってしまったそうです(涙)。
なんとも切ない話ですが、フランソワはこのシューズ作りをきっかけにブランドを立ち上げるのです。その「シャテル」には魅力がたくさん詰まっています。まずはなんといってもその履き心地。毎日ヒールを履くのはしんどいからフラットシューズを選んでみたけれど、底が薄くてかえって痛く感じてしまったということはありませんか?足の専門家と一緒に作ったという「シャテル」のヒールは1.4センチ、衝撃を吸収するメモリーフォームを内蔵したインソールは3層になっていて9ミリの厚みがあり、合わせて2.3センチの厚みによって膝、腰、首の負担を軽減するため、パリの石畳でも長く歩けます。実際に履いてみるとその軽さとフィット感は抜群です。
さらに豊富なカラーパレットに加え、ヒョウ柄や本物のエイ革に見えるスエード素材など、ロマンチックでエレガントなデザインも魅力。6型あるうち日本ではベーシックな“フランソワ”、先のとがった“ポインティ”、“ソフト”、“スリッポン”、“ミュール”の5型を展開。本国ではメンズとキッズもあるそうです。遊び心のあるデザインでありながら、外反母趾用のワイドタイプも用意しているのがうれしいところ。また、カラーや素材を選べる75種類のタッセルを用意し、組み合わせ次第で自分だけのシューズとなる、カスタマイゼーションもできるのがポイント。例えば、名前のイニシャルをエンブロイダリーで付けるといったカスタマイズもできるそうです。
さらに、ソールはネオライトと呼ばれるウォータープルーフのリサイクルラバーを使用し、リサイクルペーパー製のシューズボックスにするなど、環境にも配慮しています。パリでデザインし、イタリアの素材を使ってポルトガルで生産。価格はベーシックなタイプの3万3000円から、エンブロイダリーは7万6000円。パリには路面店がるのでパリを訪れる際には訪ねてみようと思います。
2月末か3月頭の伊勢丹新宿本店でのポップアップを皮切りに日本での展開をスタートするそうです。毎日忙しく動き回る女性に履き心地の良いシューズを、そして見た目もエレガントでかわいらしいデザインを――。パリジャンの女性への愛を感じるシューズです。