ハロウィンが迫る2018年10月26日、人間と魔法使いのハーフのティーンエージャーのストーリーを追ったネットフリックス(NETFLIX)ドラマ「サブリナ:ダーク・アドベンチャー(The Chilling Adventures of Sabrina以下、サブリナ)」が公開された。1996年にスタートした米コメディードラマ「サブリナ(Sabrina, the Teenage Witch)」を、ネットフリックスのヒットドラマ「リバーデイル(RIVERDALE)」を手掛けるチームがジェネレーションZ向けにリブートしたこのドラマの主演を務めるのは、現在18歳の女優キーナン・シプカ(Kiernan Shipka)だ。
ジェネレーションZの1つ上の世代であるミレニアルズが「ハリーポッター(Harry Potter)」シリーズと共に成長したためか、両者は多く引き合いに出され「ジェネレーションZ版『ハリーポッター』になるか」と期待する声もある。しかし「サブリナ」に出演する前までのシプカのファンは、「正直に言うと、30代以上の世代だった。こんな若い世代のファンがいることは初めてだから、ちょっと面白い」とシプカ。それもそのはずで、シプカは6歳の時に米広告業界を描いたドラマ「マッドメン(MADMEN)」の主演の娘役に抜擢されたため「マッドメン」の視聴者世代がファンだったからだ。
さらに、シプカをはじめとする多くのジェネレーションZ世代は、1996年から2003年まで放送されたオリジナルの「サブリナ」を見たことがない。リブート作品にはオリジナルのファンからの批判がつきものだから、これはこれで良かったのかもしれない。「私も見たことがないけど、とてもアイコニックなドラマだったから存在は知っている。ネットフリックス版に出演することを人に話したら、すごくたくさんの人がオリジナルのドラマに愛着を抱いていたことに気づいた。とても強い愛着をね」。
6歳からトップブランドのドレスを着てレッドカーペットを歩き、ハリウッドの次なるスターとして注目されていた彼女だが、主役を務めるのは「サブリナ」が初めてだ。このドラマ出演が決まる前までは「『自分が何をしたいか分からないし、全部うまくいかない』って思っている不満だらけの女優だった。何も見通しがなくて『どうしよう、次は何をしたらいい?』と思ってた。この業界は不確かなことばかりで、自分のチャンスを作れる時もあるけど、それをコントロールするには時間がかかる。私もまだ自分が何をしたいのか見極めている途中だった」とシプカは振り返る。
そんな状況の中で手にした「サブリナ」は、役、作品、そして制作メンバーも完璧だった。「考えるまでもなく、直感的にサブリナは私にぴったりだと感じた。12〜13歳の時には、どんなドラマを見てもその主役になってキャラクターを表現したいと思っていたから。サブリナは、あらゆる意味で若い女の子たちの良きロールモデルだということが素敵だと思う。彼女たちがこのドラマと一緒に成長して、まるで自分が出演しているように感じてくれることがとても楽しみ。ティーンはいろんな顔を持っているから、こういう形で深いところまで表現されるべき。このドラマにはポジティブなことがたくさん隠れているからとてもうれしい」とシプカは語る。
ニューヨークでこのインタビューの撮影をした後は、19年4月に公開予定の「サブリナ」シーズン2の撮影のために再びバンクーバーに戻るというシプカ。しかし「サブリナ」が無事にクランクアップしたら、“生まれ故郷”であるTV業界に戻りたいとシプカは明かす。「いつもどこかで、TV業界には戻るだろうという直感があった。TV業界はある意味、私のホームだから。結局はコンテンツが全てだけど、今あるコンテンツはほとんどTVの中にあると思う。大女優のメリル・ストリープ(Meryl Streep)がそっち側にいるなら、私たちも行かなきゃ!って感じね」。