米ロサンゼルス発のファストファッションブランド「フォーエバー21(FOREVER 21)」が、12月18日に発表したマーベルコミックの実写化映画「Black Panther」を題材とした商品画像で炎上した。
ことの発端は、映画の舞台であるワカンダ王国をテーマに、“WAKANDA FOREVER(ワカンダ王国よ、永遠に)”のテキストが編みこまれたクリスマスセーターの画像をツイートしたこと。これだけでは炎上の要素はないが、問題は着用モデルが“白人モデル”だったという点だ。というのも「Black Panther」は、マーベルシリーズ初の黒人ヒーローの物語で、アフリカを舞台に登場人物もほぼ全員黒人という背景がある。
ツイート後、同画像を見た黒人を中心に「なんで黒人映画のアイテムに、白人モデルを起用したんだ?バカなの?」「われわれを侮辱している。何が“FOREVER”だ!」「他のコレクションでは黒人モデルを起用しているのに」と炎上。「フォーエバー21」はすぐにツイートを削除、同アイテムの販売を中止し、「今回の当社の製品とマーケティングへのご意見について、真摯に受け止めます。さまざまな民族性を持つモデルを起用してすべてのスーパーヒーローを称賛するとともに、問題の写真が不快な思いをさせたことに関して非常に申し訳なく思っています」と謝罪することになった。
なお今回の炎上対象になってしまった“白人モデル”は、以前から「フォーエバー21」のオンラインストアで着用モデルとして起用されてきた人物。
「フォーエバー21」はここ数年、「グッチ(GUCCI)」からデザインが酷似していると商標権の取り消しを求められたり、「スラッシャー(THRASHER)」にはロゴ盗用疑惑をかけられたりするなどの事実が相次いでいる。なおH&Mも過去に、“coolest monkey in the jungle(ジャングルで最もクールな猿)”とプリントされたグリーンのフーディーを黒人のキッズモデルに着用させた画像を投稿し炎上。人種差別運動にまで発展し、一部店舗を閉鎖する事態に陥るといった事件を起こしている。