出足の遅かった冬将軍の影響で、12月中旬まで各地のスキー場が雪不足に悩まされる中、スキーをメーンカテゴリーとする「ゴールドウイン(GOLDWIN)」が健闘している。新井元・執行役員兼「ゴールドウイン」事業部長は、「スキー市場は決してよくないが、『ゴールドウイン』は若干ながらも売り上げを伸ばすことができている。店頭での売り上げシェアは2~3割増、高いところで4~5割増だ」と述べた。
要因については、「ファッション性が支持されている。私も可能な限り店頭で接客するが、お客さまの声でそれを感じる」と話す。同ブランドが6~7月に専門店で行った受注会(早期商戦)も売り上げは3~4割増だった。「早期商戦の場合、前年の流れをくむ部分がある」と冷静に分析しながらも、「高額アイテムに対する個人客のリアクションがよかった。スキーにとっては欠かせない競技需要も伸びた」と振り返る。
11月8日に「丸の内二重橋ビル」の商業ゾーン「二重橋スクエア」にオープンしたゴールドウイン 丸の内も、「当初の売り上げ計画を大幅に超える数字を出している」という。同店でのスキーカテゴリーの割合は7~8%だが、丸の内に勤務するビジネスマンや土日に丸の内を訪れる層に10万円前後のアウターが売れている。
丸の内に先駆けて、9月末に札幌のザ・ノース・フェイス+ サッポロファクトリー店を拡張して新設した「ゴールドウイン」コーナーも順調だ。「約72平方メートルほどのスペースだが、売り上げの3割をスキーが占める。11月の売り上げは、全国の『ゴールドウイン』の中でトップランクを記録した」。国内最大級の売り場面積を持つ「ザ・ノース・フェイス(THE NORTH FACE)」や、同施設内にオープンした同じくゴールドウイン傘下の「ウールリッチ(WOOLRICH)」と並んで好成績を達成できており、「自信になっている」という。最後に「12月中旬までの雪不足はボディーブローのように影響してくるだろうが、好調を維持したい」と結んだ。
「ゴールドウイン」の2019年秋冬スキーコレクションは、高い機能性を持った高額アイテムを拡充する。アイテム数もウィメンズとアクセサリーを増やし、全体で15%増とし、幅広い層にアピールする。