美容系メンズユーチューバーとして活動し、チャンネル登録者は63万超えと人気の“もるさん”。美容系メンズユーチューバーとしては国内トップクラスの登録者数だ。そんなもるさんは人気ヘアサロン「オーシャントーキョー(OCEAN TOKYO)」のスタイリストとしても活動している。もともとユーチューバーとして活躍していたもるさんがなぜ「オーシャントーキョー」で美容師をすることになったのか。本人に聞いてみた。
WWD:まず“もるさん”という名前はどこからつけた?
もるさん:世の中にユーチューバーが認知されていない2012年4月から独学でユーチューブを始めたのですが、その時に「髪を盛る」とか言っていて、その“盛る”から名付けました。
WWD:なぜユーチューブでの配信をしようと思ったのか。
もるさん:僕は静岡県出身で、地方にいる頃から雑誌を見てセルフスタイリングをまねしていたんが、やはり誌面だと分かりにくくて。その頃から動画でスタイリングを配信している人もいたんですが、編集せずにスタイリングしている様子をただ流すだけの人が多かったんです。それならもっと分かりやすく、もっと楽しいセルフスタイリング動画を作ろうと思って大学生になったのをきっかけに配信を始めました。話すスタイルが徐々にうけて、やっていくうちにチャンネル登録者数も視聴者数も増えていきました。
WWD:ユーチューバーとしての人気も出てきた中で、なぜ美容師になろうと思った?
もるさん:大学2年生の時に就職を意識し始めて、美容系ユーチューバーとしての強みを生かせて、かつ自分の好きなことを仕事にできるのは何かと考えると美容師だったんです。美容師だと技術力も付くし、それをユーチューバーとしても生かせる。またユーチューバーを続けることで集客につながる。相乗効果が期待できると思ったので、それから大学を休学し、美容専門学校に通って美容師免許を取得しました。
WWD:「オーシャントーキョー」に入社を決めたのは?
もるさん:原宿の有名サロンで初めて行ったのが「オーシャントーキョー」だったんです。それは人気美容室で実際に髪を切ってもらう「もる散歩」というユーチューブの企画だったんですが、当時からそういったことを面白がってくれていたのが「オーシャントーキョー」だったんです。それで、ここならユーチューバーとしての活動も続けていけるなと思いました。でも実際に入社してみると仕事がいそがしく、1年目は1カ月に1回ほどしか動画をアップできていなかったんです。でも今年8月にスタイリストデビューしましたが、その直前は動画をなるべく頻繁に上げて、デビュー後の集客につながるようにしました。
美容系メンズユーチューバーが増えるのはいい傾向
WWD:美容師をしながら動画の撮影・編集をやるのは大変そうだが。
もるさん:一つの動画を作るのに、撮影と編集を合わせて3~5時間ほど掛かります。構成は事前に決めずにとりあえず撮影してから編集するので、大変ですね。ネタを探すのも難しく、セルフスタイリングをメーンに「分かりやすい髪型セット&解説」「分かりやすい製品レビューシリーズ」「コラボ企画」「もる散歩」「有名人の髪型にしてみるシリーズ」「セルフカラー」「男子メイク」「お悩み解決シリーズ」などいろいろな企画を試してきました。最近は他の人気ユーチューバーの髪をカットするといったコラボ企画をやっています。
WWD:最近は美容系のメンズユーチューバーも増えてきたが。
もるさん:美容師のメンズユーチューバーが増えてきたなと感じています。配信する人が増えることでジャンルは活性化していくと思うので、それはいい傾向だと思う。ただ、ファッションや美容は大まかなトレンドがあるので、みんな同じような動画になってしまいがち。それだと技術でしか差別化ができず、一般のメンズユーチューバーが美容というジャンルには参入しづらくなっている。だからこそ僕が真面目すぎないネタ系の動画もアップすることで、いろんな人が参入しやすいようにして、もっと“メンズ美容”というジャンルを活性化させていきたいです。