三越伊勢丹のプライベートブランド「BPQC」は、2019年度内(20年3月まで)に路面店や外部商業施設など、グループ外への出店を目指す。14年のブランドリニューアル以来、グループ内の百貨店の編集平場を中心に販売してきたが、17年11月に改装オープンした三越恵比寿店などでは平場ではなくショップとして世界観を発信。18年10月には、グループ傘下の福岡・岩田屋にもショップとして出店した。両店舗とも予算超える売り上げで推移しているといい、河村玲・三越伊勢丹百貨店事業本部SPA事業部BPQC営業部営業部長は「事業としてブレークスルー直前まで来ている」と手応えを語る。外部出店によって、さらなる認知向上と新規客の取り込みを目指す。
三越恵比寿店の初年度の売り上げは予算の1.2倍で着地、岩田屋は同2倍ペースで推移しているという。ECも強化しており、自社ECの他、「ゾゾタウン(ZOZOTOWN)」や「ストライプデパートメント(STRIPE DEPARTMENT)」などに出店。EC化率は現在約12%で、EC化が遅れているといわれる百貨店の中でEC化を先導している。客層は、店や販路によって20代~70代と幅広いという。
商品構成は店によって異なるが、岩田屋はウエア6割、リビング・ライフスタイル雑貨4割。雑貨を多くしたことが好調要因と分析する。ウエアは素材や着心地にこだわったシンプルなデザインが中心で、19年春夏は、奈良で作られた蚊帳の素材を使ったドレスやブラウス、ニットメーカーのエイ ガールズの天竺素材で作ったドライタッチのTシャツなどを企画。他にも、小松マテーレや福田織物など、日本を代表する素材産地の企業と取り組んでいる。平均商品単価は1万円前後。雑貨は樹脂でできた買いやすい価格の食器やファブリックミストなど。
グループ内でショップ展開しているのは6店で、19年春に3店が加わる。平場展開しているのは約25店。現在、グループ内の店舗とバッティングしない一部セレクトショップには卸販売もしている。19年度内に外部出店を目指す他、「将来的にはフランチャイズなどの展開も可能かもしれない」と期待する。