世界各国の市場調査や中華圏向けのプロモーション事業、中国市場のトレンドを発信するウェブメディア「中国トレンドExpress」を運営するトレンドエクスプレス(トレンドExpress)は、中国国内で投稿された日本製品についての口コミを調査した「2018年中国SNSクチコミ振り返りレポート」を発表した。その中で、コスメ・美容カテゴリーのクチコミを読み解く。
中国における“口コミ”の影響力
2018年、中国のウェブ上で日本製のコスメ・美容商品に関する口コミは331万9113件投稿された。中国では口コミを重視する文化があり、中国版ツイッターと呼ばれるウェイボーや、中国版インスタグラムの小紅書(RED)などのSNSでさまざまな製品の口コミが投稿される。美容製品であれば使用前後を比較したり、使い心地が投稿されたりと、具体的で購買の指標となる内容が多い。偽物が多く出回り、企業の広告も過大に捉えられる中国では、より信頼できる身近な人物や、インフルエンサー(KOL)の投稿が何よりも影響力を持っている。このような投稿はインフルエンサーだけでなく一般の人の間でも活発だ。
最も口コミが投稿されたのはスキンケアの美白アイテム
コスメ・美容カテゴリーを製品別に口コミ数順で見ると、1位は3万8361件投稿されたコーセーの「雪肌精」。次いで「ベイビッシュ うるおいマスク」、3位「馬油ナチュラルミルクローション」、4位「スクワクレンジング」、5位「雪肌精 ホワイト洗顔クリーム」と、「雪肌精」シリーズは2製品が上位に入った。また7位までをスキンケア製品が占め、中国の消費者がメイクアップよりも素肌を重視することが分かる。また、中国では日本の製品に対し、安心・安全というイメージが高く、素肌に塗布するスキンケアの性質から、日本製が求められたことも理由のひとつだ。
2019年に中国で売れるものは“ヘアケア”?
口コミ件数の増加率でトップに立ったのはクラシエホームプロダクツのヘアケアライン「いち髪」で、前年に比べて1万件以上となる3万1768件が投稿された。ヘアケア・スタイリングカテゴリーの口コミ投稿数は全体で7%と多くはないが、昨年に比べて1万8000件増加している。中国の美容に関する悩みの中でも「薄毛」は注目ワードで、この原因として普段のヘアケアが十分でないことが上げられる。美意識の高まりと共に、ヘアケアも注目が高まりそうだ。