ファッションの専門学校には、現役学生ながら超パワフルなインフルエンサーが存在する。その一人が中国出身で、現在モード学園のモード基礎学科に通うゴールドエリカだ。アジア系のエキゾチックな顔立ちととんがったファッションは、どこか無国籍な雰囲気も漂わせる。ラグジュアリー・ブランドのショーやパーティに出現する彼女に、東京モード学園のコクーンタワーで直撃した。
WWD:なぜ日本に?
ゴールドエリカ(以下、エリカ):2010年に地元の大学を1年で中退して来日しました。母が日本のファッションが大好きで、小さい頃から日本のファッションに興味がありました。来日後は文化学園大学で服装社会学を専攻し、以前から興味のあったメイクを勉強したくて、2018年4月にモード学園に入学しました。ちなみに名前のゴールドは、本名の金からです。
WWD:モデルになったきっかけは?
エリカ:2012年ごろに、中国の雑誌の編集長やフォトグラファーの友だちから、モデルに誘われて。当時は中国のファッション誌の多くが東京に拠点を持っていて、スナップやシューティングをしていました。最初に出たのは「YOHO」という雑誌だったかな。
WWD:インフルエンサーの仕事を意識するようになったのは?
エリカ:うーん。モデルをやりながら使っていたインスタが徐々に仕事に使うようになった、という感じです。
WWD:仕事はどうコントロールしている?事務所は?
エリカ:スケジュールの調整をフリーのマネージャーにお願いすることもありますが、どんな仕事をいくらで請けるかなど基本的に仕事は全部自分でコントロールしています。仕事の依頼はインスタのDMでもらうことが多いです。
WWD:なぜメイクを勉強?
エリカ:勉強するのが好きなんです(笑)。インフルエンサーをしているとメイクもファッションも自分でやりますし、ファッションは勉強したので次はメイクかなと。ただ、学校に通ってみて改めて気づいたことでもありますが、今はインフルエンサーより、メイクアップアーティストの方が自分に向いていると思っています。インフルエンサーは自己表現ですが、メイクの方がよりいろんな人やモノを表現できるかな、と。シビアに将来の仕事のことを考えても、インフルエンサーよりメイクアップアーティストの方に将来性を感じています。
WWD:学生との両立は大変では?
エリカ:通いたてのころは本当に大変でした。寝る時間が取れなくなってしまって。インフルエンサーの仕事で週2〜3日は展示会や撮影があります。展示会や撮影は衣装やメイク道具などを入れたキャリケースを持ち歩く必要があるので、体力も使いますし。
WWD:収入と支出は?
エリカ:収入のほとんどを服とメイクにつぎ込んでいます。支出は服とメイク代で月40万円くらいかな。
WWD:買い物の仕方は?
エリカ:買う場所はリアルからネット通販までいろいろですが、基本は衝動買い(笑)。伊勢丹新宿店やリステア、オープニングセレモニー、下北の「ヘイト&アシュバリー」「ニューヨークジョー エクスチェンジ」にもよく行きますし、「H&M」などのファストファッションもよく買います。ネット通販でもよく買います。通販サイトでよく使うのは「エッセンス」「ルイザローマ」。古着と通販はサイズが豊富だし、探すのが楽しいですよね。
WWD:東京のいいところ、つまらないところは?
エリカ:東京のファッションは自由で楽しいし、ショッピングもラグジュアリーから古着まで、すごく多彩で楽しいです。それはずっと感じています。ただ、ライフスタイルは正直つまらないかな。夜遊ぶところが少ないし、人間関係が窮屈だなあと感じることが多いです。
WWD:どんなとき?
エリカ:私の地元には、スーパー銭湯と雀荘とマッサージ場が融合したような娯楽施設があって、よく友達や家族と遊びに行っていました。バスケやテニス場なんかも多くて、暇な時はよくみんなで遊んでいましたね。東京に来ていまだに慣れないのは、友達を呼ぶとき。日本だと「友だちも呼んでいい?」なんて聞くと「誰?何している人?」って絶対聞かれるじゃないですか?共通の知人や友だち以外をご飯や遊びに誘いづらい。中国だったら絶対にありえない。一緒に遊んでいてもほとんどの人が初対面なのがけっこう当たり前です(笑)。
WWD:休日の過ごし方は?
エリカ:最近は家で映画を見ています。中国の映画やテレビはかなりネットで見れるので。本当は体を動かすのは好きなんですけどね。