ダイエット・インナービューティフードのカテゴリーで、最近の売れ筋商品の傾向を紹介する。キーワードは“糖質オフ食品”と“自然派プロテイン”だ。
キユーピー子会社で、洗わずにそのまま食べられるパッケージサラダなどの製造・販売を手掛けるサラダクラブが、2018年10月末に大手スーパーなどで発売した「キャベツライス」が売り上げを伸ばしている。キャベツの芯を米のサイズにカットしてパックした食品で、“キャベツの芯をお米感覚で食べる”という新たなライフスタイルを提案している。糖質が気になる人に対して、米や麺などの主食を野菜に置き換える“野菜の主食化”をかなえるもので、加熱後もほのかな甘みとシャキシャキとした食感が残るため、チャーハンやオムライスといった主食メニューの米を置き換えて使用できる。「キャベツライス」に中辛のカレーソースを添付した、電子レンジで温めて食べるトレータイプの商品「キャベツライス de カレー」も同時発売し、同じく人気となっている。
「当社では海外のパッケージサラダ市場を定点観測していて、近年、特にアメリカで野菜の主食化が進んでいることに着目した。海外では主にカリフラワーやブロッコリーだが、当社は日本で一番キャベツを使用しているので、その強みを生かすべくキャベツの芯をお米に見立てて、お客さまが“無理なく毎日野菜をとる”ことをサポートしている」と同社の広報・広告宣伝担当は話す。
また、大手スーパー「イオン」のプライベートブランド「トップバリュ」からも、ブロッコリーやカリフラワーを米の代わりに食べる食品「お米のかわりに食べる ブロッコリー」「同 カリフラワー」が登場するなど、今後1つの市場を形成していきそうだ。
もう1つ注目しておきたいのが、ファミリーマートとライザップがコラボレートした“おいしさと糖質量にこだわった”食品シリーズだ。全国の「ファミリーマート」や「サークルK・サンクス」で発売し人気を博していて、デザートラインなど次々と新製品が登場している。“糖質オフ”という提案は以前からあったが、それがスーパーやコンビニで手軽に購入でき、日常的に取っている食品と“置き換える”方向に進化している。
一方、もう1つのトレンドキーワードが“自然派プロテイン”だ。マツモトキヨシホールディングスのプライベートブランド「マツキヨ ラボ」のアスリートラインが人気だ。同社の管理栄養士が監修し、美と健康をトータルサポートするラインで、運動時に手軽にしっかりプロテインやアミノ酸が補給できる食品などを展開している。
「2020年の東京オリンピックを控え、スポーツ愛好者が増えたことを背景に、ボディーメイクに欠かせないプロテインが人気。中でも粉タイプ『マツキヨ ラボ ホエイプロテイン 100』は保存料や増粘剤、砂糖不使用など中身にこだわっており、粉以外にゼリーやバーなど、手軽に摂取できる形状もラインアップしたことで認知が上がった。加えて、続けやすい価格にしたことも好調の要因だ」と同社の担当者は話す。
アンファーは“予防医学を食事から”をコンセプトにした食品ブランド「ドクターズ ナチュラル レシピ」から、低糖質・低脂質で高たんぱくの100%植物性プロテイン「ボタニカルライフプロテイン」を発売し、好調に売り上げを伸ばしている。「味のおいしさに加え、100%植物性でスーパーフードなどを豊富に配合し、女性の体作りだけでなく美容ケアもできる点や、6つのフリー設計(グルテン、香料、酸化防止剤、着色料、白砂糖、増粘剤不使用)で体に負担をかけない点もうけ、幅広い層にご愛飲いただいている」と、同社の予防医学事業部部長は話す。
その他、11月にプロテイン・スーパーフードの国産ブランド「グローン」がデビュー。国内製造のソイプロテインにグリーンスーパーフードを加え、米麹甘酒の優しい甘さで仕上げたプロテイン ブレンド パウダー「グリーン モンスター」などを発売し話題となっている。プロテインといえばかつてはアスリートが使用するイメージだったが、“空前のジムブーム”の中、体を鍛える女性たちの間でもニーズが高まっている。従来品のようなケミカルなイメージではなく、インナービューティ成分やナチュラル成分配合を前面に打ち出すことで、手に取るハードルを下げていることも特徴だ。