初売りやセールが落ち着くと、店頭のアイテムも徐々に春物へシフトし始める。昨年の12月上旬まで行われた各セレクトショップの展示会では、2018年の傾向に見る鮮やかなカラーバリエーションから、19年春夏はホワイトやベージュなどを中心に乾いたようなカラー展開が多い印象。シャーベットカラーなど春の定番色も加わり、ドレスやセットアップなど幅広いアイテムがそろう。8つのセレクトショップから、2019年春のトレンドを総括する。
エストネーションは、都会的なアプローチで
洗練されたリアルクローズを提案
エストネーション(ESTNATION)の展示会には、ベージュからブラウン、そして白をキーカラーにリネン、カットワークレースを用いたアイテムが多く並んだ。「キーカラーは乾いた砂のサンドベージュで、大地のグラデーション。プリミティブな感性と優雅なたたずまいが同居するスタイルを提案する」と、藤井かんなウィメンズ・ディレクター。柄は、イレギュラーなストライプやドット、花やジャングル系、レパードで野生性と都会性を描き出す。
「ユナイテッドアローズ」の2019年春夏のテーマは“トウキョウ デザート”
「ユナイテッドアローズ(UNITED ARROWS) 」は、東京に砂漠があったらというイメージでベージュからブラウンのグラデーションでコーディネート提案をする。乾いたような素材感を中心に、モロッコ風のプリント使いや褪せたようなピンクやターコイズブルーをアクセントに、砂漠が広がる国で見られるようなカラーバリエーションが特徴だ。
イエナはリネンが鍵 色はベージュと白を提案
イエナ(IENA)の2019年春夏はベージュと白をベースカラーに、モスグリーンとイエローをキーカラーにラインアップした。素材はリネンがイチ推しで、羽織りやすいジャケットやアウターなどに加え、肌見えする女性らしいワンピースやオーバーサイズのオールインワンなどをそろえる。その他、フェミニンなレースも多く、透けるトップスが目を引く。
READ MORE 1 / 2 シャーベットカラーや、サファリテイストの提案も
ロンハーマンは、シャーベット色を組み合わせ
ロンハーマン(RON HERMAN)は2019年春夏、シャーベットカラーのコートやパンツ、ジャケットなどを大きく打ち出す。篠崎バイヤーは「これまでのシャーベットカラーの提案は同系色での組み合わせが多かったが、今年は違う色同士が気分」と言い、「少し褪せたような色味であることもポイント」と語る。シーズンを通してイチ推しカラーは黄色で、キー素材はリネン。コートからセットアップ、ワンピースまで幅広いアイテムをそろえる。
「ビューティ&ユース」は、乾いたサファリテイストを都会的に演出
「ビューティ&ユース ユナイテッドアローズ(BEAUTY & YOUTH UNITED ARROWS)」は、大きめの花柄プリントスカートにストライプのシャツのコーディネートがイチ押しだ。エスニック柄を豊富に展開したり、ストライプはリネンや光沢感のある素材など、素材違いでシーズンを通して提案する。「リーボック(REEBOK)」に別注のスカートとTシャツの2型や、「トーガ(TOGA)」とはデイリーに落とし込んだライン“トーガ プルラ(TOGA PULLA)”のサンダルなどの別注を展開。スイムウエアもバリエーション豊富に取りそろえる。
READ MORE 2 / 2 ワンピースはウエストマークが今年流、引き続きセットアップも
トゥモローランドのキーワードは“ボンボヤージュ”
トゥモローランド(TOMORROWLAND)は色と柄でハッピームード溢れるアイテムをそろえる。「いろんな場所のさまざまなシーンでファッションを楽しむ、自由で前向きな女性のためのワードローブを用意した」と大城琴美バイヤー。女性らしい気分を盛り上げるドレスやスカートがバリエーション豊富にそろう。丈は秋冬に続き長めで、膝下からマキシまでのストンとしたシルエットが多いが、袖やスカートのボリュームがポイントだ。
インターナショナルギャラリー ビームスは、
ドライタッチのリネンやコットンのドレス
インターナショナルギャラリー ビームス(INTERNATIONAL GALLERY BEAMS)は、サマードレスを多くそろえた。日に焼けて褪せたような色や、フィルムで撮影したような柔らかい色やアースカラー、素材はリネンやコットンといった天然素材でドライタッチのものが多い。丈はくるぶし丈からマキシ丈のゆったりとしたシルエットだが、ギャザーやベルトでウエストをマークしたやや緊張感があるスタイルを提案する。
「バーニーズ ニューヨーク」は、どんな女性にも似合うファッションを提案
「バーニーズ ニューヨーク(BARNEYS NEW YORK)」はドレスやスカートを中心に、どんな女性にも似合って心地よく着られる“すべての女性のための”ファッションを提案する。トレンドキーワードは花柄やレースがノスタルジックなボーホースタイル、グランジ、90年代、スポーツなどにフォーカス。カラーはホワイトとベージュを中心にペールトーンからネオンカラーまで、ピンクやレッド、イエローを差す。セレクトはこれまで導入していなかったブランドに注力し、今季は初登場23ブランドをそろえる。