ファッション

パリ発バッグブランド「ル スノッブ」が日本初上陸 ディレクターがブランド名に込めた思いとは

 セレクトショップのイザ(IZA)は、2019-20年秋冬シーズンからパリ発バッグブランド「ル スノッブ(LE SNOB)」の販売を行う(輸入は伊藤忠商事)。レディー・ガガ(Lady Gaga)やマドンナ(Madonna)、ビヨンセ(Beyonce)などを手掛けるスタイリストのベア・アカーランド(BEA AKERLUND)と「ディオール(DIOR)」や「ルイ ヴィトン(LOUIS VUITTON)」などのラグジュアリーブランドの広告を手掛けたロベルト・ルシエ(Robert Lussier)=クリエイティブ・ディレクターの二人が立ち上げた同ブランドは、モノグラムや“SNOB”の“O”が腕を通せる程大きくデフォルメされたメタルハンドルがアイコンだ。バッグの中心価格帯は6万~12万円台。

 “スノッブ”とは、“お高くとまった人”など通常はネガティブな意味で使われることが多いがルシエ=クリエイティブ・ディレクターは「こんな時代だからこそ大切な生き方」だと説明する。その真意とは。

WWD:ブランドを始めたきっかけは?

ロベルト・ルシエ「ル スノッブ」創業者兼クリエイティブ・ディレクター(以下、ルシエ):かなうことはなかったけど、昔はデザイナーになりたかったしファッションの学校に通いたかった。ブランドを立ち上げる前は広告の仕事をしていて、「ディオール」や「ルイ ヴィトン」「ロエベ(LOEWE)」といったラグジュアリーブランドと仕事をしていたから、彼らのプロダクトに触れる機会が多かったことと、趣味のビンテージバッグの収集などがきっかけで、いつか自分のブランドを立ち上げたいとずっと頭の片隅で思っていた。今はそれをやるだけの力や財力が自分にはあって、ブランドをサポートしてくれる工場にも出合えたからスタートさせた。

WWD:バッグのブランドにした理由は?

ルシエ:私には姉妹が3人いて全員がバッグ好きだから、彼女たちの影響は大きい。あとはビンテージバッグ収集が趣味だというのも大きな理由。なぜか昔から服よりもバッグの方が好き。

WWD:“LE SNOB”というロゴについて。ベースになるものがあるとか。

ルシエ:“SNOB”というモノグラムが描かれたバッグをビンテージショップで見つけたのがきっかけ。調べてみるとこれは1965年に誕生したロゴだった。そこで“SNOB”という言葉を商標登録してブランド名に使うことにした。“LE”という言葉は、遊び心で足したの。フランスに住んでいるから(笑)。

WWD:なぜ“スノッブ”という言葉が気に入った?あまりポジティブな言葉ではないと思うが。

ルシエ:“SNOB”という言葉はネガティブな意味で使われることが多いけど、私の中では“いい暮らし”や人生の楽しさ、ファッションの楽しさを連想させるポジティブな言葉。いい暮らしが嫌いな人なんていないし、こんな時代だからこそ楽しむ心が必要だと思う。あと、もっとファッションを楽しむべき。「グッチ(GUCCI)」や「バレンシアガ(BALENCIAGA)」が成功しているのはファッションの楽しさを表現できているからだと思う。“プラクティカル(実用性)、ファン(楽しさ)、ファビュラス”、この3つを兼ね備えることが成功へのカギだと思うし、私のバッグにはその要素が備わっている。

WWD:バッグからスタートしたブランドだが、今ではフレグランスやウエアも展開している。フレグランスを始めたきっかけは?

ルシエ:「パルファン・ロジーヌ パリ(LES PARFUMS DE ROSINE PARIS以下、ロジーヌ)」の香水が大好きで、そこでかなり散財していたの(笑)。そこで私のコレクションをオーナーに見せてコラボを持ち掛けたらとても気に入ってくれて、コラボに至った。最初に誕生したのがユニセックスの香水「ゴシック ローズ」。今では2種類増えて全3種類になった。

WWD:今後さらなるライフスタイルブランドにするために、アイテムを拡大していく予定は?

ルシエ:もちろんある。キャンドルやタオル、リネンなどは話し合いを進めている。香水のようにコラボできるといいと思っている。

WWD:最近はコラボアイテムが飽和状態な感も否めないがどう考える?

ルシエ:その気持ちはよく分かる。だからこそコラボするときは慎重に進めている。総じて言えば、コラボはモダンでフレッシュにしてくれる効果がある。Tシャツは若いデザイナーとコラボすることで彼のビジネスを大きくする手助けになっているし、一方で「ロジーヌ」のような老舗とコラボすることで、再度注目されるきっかけ作りや新しさ感じてもらう機会になるからウィン-ウィンな関係だと考えている。

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