「グッチ(GUCCI)」が1月8日から、伊フィレンツェのメルカンツィア宮殿内にある「グッチ ガーデン(GUCCI GARDEN)」で“マスキュリニティー(男性性)”をテーマとした展覧会を開催中だ。“男-両性具有の心、折衷的肉体(The Male — Androgynous Mind, Eclectic Body)”と題されており、同8~11日に開かれるメンズ最大の見本市、第95回ピッティ・イマージネ・ウオモ(PITTI IMMAGINE UOMO以下、ピッティ)に合わせてオープンした。
同展覧会には、「グッチ」が1960年代から探求し続けてきたマスキュリニティーを象徴するキャンペーンイメージに加えて、シルバーのライターやバックギャモンのボードといったオブジェ、そして歴代のクリエイティブ・ディレクターたちのアーカイブが集められている。マリア・ルイーザ・フリーザ(Maria Luisa Frisa)=キュレーター兼批評家は、「情熱的な男性は美しいという概念は、イタリア発祥のものだ」と説明した。
「グッチ」のクリエイティブ・ディレクターたちによるアーカイブには、トム・フォード(Tom Ford)が99年春夏コレクションで発表した黒のジャケットとワイドなレザーパンツや、2003年春夏コレクションのフローラル模様のキモノとシルクのパンツ、フリーダ・ジャンニーニ(Frida Giannini)による青いベルベットジャケット、そして現在のクリエイティブ・ディレクターであるアレッサンドロ・ミケーレ(Alessandro Michele)が15-16年秋冬コレクションで発表した赤いシルクの中性的なブラウスなどが含まれている。また、アクセサリーやバッグなどの小物類も展示されている。
会場の廊下はイタリアのアーティストMP5による個性とセクシュアリティーをテーマにした壁画で飾られており、展示室の一つでは1980年代の実験的な地元劇団によるアバンギャルドな作品を収めた映像が流されている。フリーザ=キュレーターは、「フィレンツェはアングラシーンも活発で、モダンカルチャーの形成に貢献してきた。現在、ミケーレがさまざまなコラボレーションに取り組んでいるように、この劇団は当時のアーティストたちと協働していた」と語った。なお、「グッチ ガーデン」のショップではMP5が手掛けたTシャツやフーディー、トートバッグなどの新アイテムを販売している。