「セブン フォー オール マンカインド(SEVEN FOR ALL MANKIND以下、セブン)」が、グローバル・クリエイティブ・ディレクターにサイモン・スパー(Simon Spurr)を任命した。同ブランドを傘下に持つイスラエルが拠点のデルタ・ガリル・インダストリーズ(DELTA GALIL INDUSTRIES、以下デルタ)は、「セブン」の新たな成長戦略として主力製品であるプレミアムジーンズのアップデートや新カテゴリーでのライセンス事業への参入および出店、南米やアジアなど国外市場の拡大を打ち出しており、「ラルフ ローレン(RALPH LAUREN)」「カルバン・クライン(CALVIN KLEIN)」「サンローラン(SAINT LAURENT)」などでメンズデザイナーを務めてきた同氏の就任はその流れに沿った動きだ。
ティム・バクスター(Tim Baxter)=デルタ プレミアムブランズ担当最高経営責任者(CEO)は、「サイモンは大手ブランドで豊富な経験を積んでいることに加えて、自身のブランドを設立するなど起業家精神にも富んでいる。当社のカルチャーにぴったりの人材だと思う。ブランドをグローバルに成長させていくにあたり、彼のようなバックグラウンドを持っていることは非常に重要だ」とコメントした。
スパー=グローバル・クリエイティブ・ディレクターはイギリス人で、20年近くニューヨークに在住。前述のブランドの他にも、「トミー ヒルフィガー(TOMMY HILFIGER)」のメンズウエアのクリエイティブ・コンサルタントや、イタリアのメンズブランド「イザイア(ISAIA)」のヤング向けライン「エイドス(EIDOS)」のクリエイティブ・ディレクターを務めている。「僕の経歴を見るとブランドのデザイナーだという印象を受けると思うが、キャリアの初期には『カルバン・クライン ジーンズ(CALVIN KLEIN JEANS)』で働いていたこともあるし、自分のブランドを立ち上げた際にはデニムも発表している。黒ジーンズを毎日はいているし、ジーンズの経験は十分にある」と語る。なお、同氏は「エイドス」をもう1シーズン手掛けた後で完全に離れるという。
「セブン」の売り上げの85%はデニムが占めており、残りの15%がニット、シャツやカットソー、アウター製品などとなる。バクスターCEOは「デニム以外の製品は限定的で、ほとんどが自社店舗とECサイトで販売されている」と説明する。同ブランドは、米国内に25店舗と29のアウトレットがある他、欧州に14店舗と8のアウトレットがある。
スパー=グローバル・クリエイティブ・ディレクターは、「デニムが『セブン』の主力であり、今後もそれが変わることはないが、現在の手頃な価格帯にさらにデザイン性を盛り込んだコレクションを発表してもいいかもしれない」と語った。20年春夏が初コレクションとなるが、「スピード感を重視しているので、サイモンの影響はそれ以前にも表れるだろう」とバクスターCEOはつけ加えた。