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「カルバン・クライン」がニューヨーク旗艦店閉鎖へ ラフ・シモンズ退任後の新戦略を発表

 チーフ・クリエイティブ・オフィサーのラフ・シモンズ(Raf Simons)の退任で渦中にある「カルバン・クライン(CALVIN KLEIN)」は、事業全体で従業員100人程度のリストラやニューヨーク・マディソンアベニューの旗艦店の閉鎖、そして「カルバン・クライン」コレクションラインの改革などを含む新戦略を発表した。

 スティーブ・シフマン(Steve Shiffman)=カルバン・クライン最高経営責任者(CEO)によれば、コレクションラインは今後、他の「カルバン・クライン」ブランドとより直接的にリンクしたものにしていき、名称も「カルバン・クライン205W39NYC」から変更するという。しかし、その名称や新クリエイティブ・ディレクターに誰が就任するかなどの具体的な情報は明かされなかった。

 1995年に開店した「カルバン・クライン」のニューヨーク旗艦店は、2019年春に閉鎖の予定。不動産に詳しい情報筋によれば、同ブランドは18年に当該物件の長期リース契約を更新しているが、旗艦店の閉鎖後に同ブランドを擁するPVHコープ(PVH CORP)傘下の別のブランドが入るのか、他の「カルバン・クライン」ブランドが入るのかなどの詳細は不明だ。なお、新戦略には他に北米事業の合理化やオムニチャネル化の推進などが盛り込まれている。

 PVHコープは「カルバン・クライン」の再生策に関して、旗艦店の閉鎖や従業員の退職金などを含め、今後12カ月間でおよそ1億2000万ドル(約129億円)の費用がかかると試算している。なお、同社は18年第4四半期と通期での売上高の見通しを、それぞれ少なくとも24億ドル(約2592億円)と95億7000万ドル(約1兆335億円)になると上方修正した。エマニュエル・キリコ(Emanuel Chirico)PVHコープ会長兼CEOは、「この上方修正は、当社のグローバルで多様なビジネスモデルがいかに強力かを示している。マクロ経済や地政学的な環境が不安定さを増している中でも、各事業が予想を上回る業績を上げている」と自信を見せた。

 シフマンCEOは、「『カルバン・クライン』は、アートと商業性のバランスをうまく取りつつ現代的に表現することで高い業績を上げてきた。現在、世の中の消費行動が大きく変わってきているが、それは当社が今後数年間で売り上げ120億ドル(約1兆2960億円)規模のグローバルブランドに成長するよい機会だと考えている。現代のカルチャーに沿った製品を作り、顧客との結びつきを強化する買い物体験などを提供することで、消費者の需要に応えることにいっそう注力していく」と語った。

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