阪急うめだ本店は、日本最大級のチョコレートの祭典「バレンタインチョコレート博覧会2019」を1月23日〜2月14日に開催する。昨年は歴代最高となる約23億円の売り上げを達成したが、今年は前年並とやや控えめ。「売り上げよりも、もっと楽しめるバレンタインの祭典となるよう混雑解消を図り、売り場構成と内容を大幅に変更した」(阪急阪神百貨店第1店舗グループフードマーケティング部の高見さゆり氏)という。
会場は9階フロア(約3300平方メートル)をまるごと使用。吹き抜け空間である祝祭広場に加え、阪急うめだギャラリーと阪急うめだホール、アートステージでもテーマに沿った売り場を展開する。海外の人気ショコラティエやパティスリーは、「ワールドチョコレートギャラリー」として阪急うめだギャラリーに集める。ブランドの歴史やストーリーに触れられるよう関連する展示物を充実させ、ゆっくりと楽しめる売り場環境を整えた。ソフトクリームやチョコドリンク、スイーツなどをその場で味わえる「チョコスイーツスタンド」はメーン会場で営業する。
今年は300ブランド約3000種類の商品をそろえる。王妃マリー・アントワネット(Marie Antoinette)が愛したフランス最古のチョコレートブランド「ドゥボーブ・エ・ガレ(DEBAUVE & GALLAIS)」のほか、ボンボンショコラを考案したベルギー王室御用達ブランド「ノイハウス(NEUHAUS)」、海外セレブに人気のアメリカの気鋭パティシエによる「イヴァン・ヴァレンティン(YVAN VALENTIN)」などが登場する。
日本からはかわいいイラストが描かれた缶パッケージで昨年大好評だったいちごスイーツ専門店「オードリー(AUDREY)」をはじめ、都市型ワイナリーを運営する「フジマル醸造所」と、大阪発ショコラトリー「エクチュア(EK CHUAH)」の2代目が手がける「クリュ ド エム(CRU DE M)」がコラボしたワインプラリネや、福島県の酒蔵「奥の松酒造」と「メリーチョコレート(MERY’S CHOCOLATE)」によるハチミツの酒を使ったトリュフチョコなど、ワインや日本酒とコラボした阪急限定チョコも見逃せない。
阪急うめだ本店では、約200種類の世界のタブレットチョコレートを集めた「タブレットミュージアム」を2014年に初開催し、大きな話題を呼んだ。カカオ豆まで遡って味を追求した時代から、最近は、チョコを介したコミュニケーションの時代へと移りつつあるという。
ターゲットも女性客にとどまらず、男性客から子ども、高齢者まで幅広い層を想定する。今年は阪急うめだホール内に汽車の遊具を走らせるほか、クルマやアニマルモチーフのチョコレートなど子どもが喜びそうなチョコも充実させる。アートステージのチョコ菓子マーケットでは、いろんなチョコをセレクトできるコーナーも設ける。「40代女性を中心に、普段百貨店に足を運ばない若いカップル客もチョコレートの祭典を楽しみに来ている」と高見氏。
入手困難と言われている無料のガイドブックは今年3万部を発行し、今月4日から手渡しで配布する。ガイドブックで予習してから来店する顧客も多く、早くもSNSで話題を集めている。