ヴァージル・アブロー(Virgil Abloh)が手掛ける「ルイ・ヴィトン(LOUIS VUITTON)」は17日、2019-20年秋冬メンズ・コレクションを発表した。ヴァージルが「ルイ・ヴィトン」のメンズ アーティスティック・ディレクターに就任して2度目のコレクションとなる今回の会場には、ショートヘアデビューしたナオミ・キャンベル(Naomi Campbell)や俳優のティモシー・シャラメ(Timothee Chalamet)、グライムMCののスケプタ(Skepta)、アーティストの村上隆、モデルのナタリア・ヴォディアノヴァ(Natalia Vodianova)、クリス・ウー(Kris Wu)らが、ファーストコレクション同様フロントローをにぎわせた。
今回のコレクションのインビテーションでもある、マイケル・ジャクソン(Michael Jackson)にインスパイアされた白い手袋を着用した来場者が多数いた一方、ラッパーのキッド・カディ(Kid Cudi)は、レッドとブルー、ホワイトのストーンで特別にカスタムされた豪華な手袋を着用していた。
16日に発表された「オフ-ホワイト c/o ヴァージル アブロー(OFF-WHITE c/o VIRGIL ABLOH以下、オフ-ホワイト)」の19-20年秋冬コレクションのショーでランウエイに登場したオフセット(Offset)は、「エリオット アヴィアンヌ(ELLIOT AVIANNE)」のダイヤモンドが敷き詰められたナックルダスターリングを、母親に頼んで手袋と合体させようとしたそうだ。この日「ルイ・ヴィトン」のパープルのモヘアニットにダイヤモンドのネックレスを合わせたオフセットは、先日「オフ-ホワイト」のランウエイを歩いた感想を聞かれると「ファイア。ファッションに影響を与えられるのは光栄だったし、ここにいられることが気持ちいい。ブラック・エクセレンスが頂点に達している」と語った。
「ルイ・ヴィトン」のランウエイには、サウスロンドン出身のラッパー、オクタヴィアン(Octavian)が前回のコレクションに引き続き登場した。自身のブランド「ジャスト ドン(JUST DON)」の19-20年秋冬のプレゼンテーションのためにこの日パリを訪れていたドン・C(Don C)は、いつか自身もランウエイに登場する日が来るのかと聞かれると「俺はないね。そんなに背が高くないし」と笑う。ヴァージルを取り巻くコミュニティーでショーに起用されるのは競争率が高いのかという質問には「おそらく競争率が高いところもあるかもしれないが、それはそれでいい。ヴァージルは誰かがやりたいと言ったらやらせる男だ」と答えた。
カニエ・ウェスト(Kanye West)の専属美容師のイブン・ジャスパー(Ibn Jasper)は、「僕らは競争しているというより、築き上げていると言った方が正しい」とコメント。ラッパーコミュニティーのファッションへの影響力が増していることについては「僕らはストリートからのリアルな視点を(ファッション業界に)与えているから、クールだと思う。コンセプチュアルなのもクールだが、リアルに使えるのかどうかを見る視点が必要」と語った。
「フィアー オブ ゴッド(FEAR OF GOD)」を手掛けるジェリー・ロレンゾ(Jerry Lorenzo)は、「アメリカの文化は常にファッションに影響を与えてきた。今その影響力はさらに増し、プラットフォームと声を上げる力がある」と、ヴァージルとそのコミュニティーやSNSの影響力に言及した。