LVMH モエ ヘネシー・ルイ ヴィトン(LVMH MOET HENNESSY-LOUIS VUITTON以下、LVMH)は、ベルナール・アルノー(Bernard Arnault)会長兼最高経営責任者(CEO)の長女で「ルイ・ヴィトン」のエグゼクティブ・バイス・プレジデントであるデルフィーヌ・アルノー(Delphine Arnault)を執行委員に任命した。現在、執行委員会はマイケル・バーク(Michael Burke)=ルイ・ヴィトンCEOや、ピエトロ・ベッカーリ(Pietro Beccari)=クリスチャン・ディオール クチュール(CHRISTIAN DIOR COUTURE)会長兼CEO、シャンタル・ガンペルレ(Chantal Gaemperle)LVMH人事・シナジー部門ディレクターなど11人で構成されている。1975年生まれで43歳のデルフィーヌは最年少での就任となり、ガンペルレ人事・シナジー部門ディレクターに次いで2人目の女性執行委員となる。
アルノー会長兼CEOは、「デルフィーヌを執行委員会に迎えることができ、大変うれしく思っている。委員会に女性が増えると同時に、若々しくなった。彼女はプロダクトに関する専門知識を生かして『ルイ・ヴィトン』の発展に大いに貢献してきた。今後は、特に若い世代のデザイナーやクリエイターへの深い理解をもってグループ全体に貢献してくれるだろう」と語った。
デルフィーヌは英ロンドン・スクール・オブ・エコノミクス(LONDON SCHOOL OF ECONOMICS)と仏EDHEC経営大学院(EDHEC BUSINESS SCHOOL)で学び、米大手コンサルティング会社のマッキンゼー(McKINSEY)でキャリアをスタート。2000年にジョン・ガリアーノ(JOHN GALLIANO)に転職してファッション業界の経験を積み、01年にLVMHのグループ会社であるクリスチャン・ディオール クチュールのコマーシャル・ディレクターに就任。同ブランドのデピュティ・エグゼクティブ・ディレクターを務めた後、13年にルイ・ヴィトンに移って現職に就任し、ナンバー2としてプロダクト全体を監督してきた。また、デルフィーヌが13年に設立した「LVMHヤング ファッション デザイナー プライズ」は若手デザイナーの登竜門として大きな成功を収めている。夫は有名な仏実業家で、12年に通信会社「フリー(FREE)」を設立したグザヴィエ・ニール(Xavier Niel)。
デルフィーヌ以外にも、アルノー会長兼CEOの子どもたちはLVMHの傘下ブランドで要職についており、長男のアントワン・アルノー(Antoine Arnault)はベルルッティ(BERLUTI)のCEO、二男のアレクサンドル・アルノー(Alexandre Arnault)はリモワ(RIMOWA)のCEO、そして三男のフレデリック・アルノー(Frederic Arnault)はタグ・ホイヤー(TAG HEUER)に在籍している。