2019-20年秋冬パリ・メンズ・ファッション・ウイークが1月15〜20日に開催された。話題の2人のメンズデザイナー、ヴァージル・アブロー(Virgil Abloh)の「ルイ・ヴィトン(LOUIS VUITTON)」とエディ・スリマン(Hedi Slimane)による「セリーヌ(CELINE)」のメンズがそれぞれ2回目となるランウエイショーを発表した今季。「セリーヌ」のショー会場周辺やショーの発表日にはスキニーパンツやレザージャケットなどエディ特有のスタイルの来場者も見かけられたが、メンズ・ファッション・ウイーク全体を通してみれば、オフランウエイではまだまだストリートウエアが強い印象だ。
来場者の足元は、以前は「バレンシアガ(BALENCIAGA)」の“トリプル S(TRIPLE S)”に人気が集中していたが、今回はダッドスニーカーにとどまらず、キャンバスシューズやレザーシューズ、厚底のコンバットブーツなどさまざまなバリエーションに人気が分散したようだ。特に注目なのは、「メゾン マルジェラ(MAISON MARGIELA)」の“タビブーツ”だ。女性ファンに長く愛されている印象の同アイテムだが、テーラードバンツと合わせてはきこなすメンズもじわじわと現れ始めた。
今のメンズファッション市場を動かすキーパーソンたちも集結した。パリ・メンズ・ファッション・ウイークのトップバッターを務めたヘロン・プレストン(Heron Preston)や「フィアー オブ ゴッド(FEAR OF GOD)」を手掛けるジェリー・ロレンゾ(Jerry Lorenzo)の他、ヴァージルを取り巻くコミュニティーからジェイデン・スミス(Jaden Smith)、村上隆、スケプタ(Skepta)、ガンナ(Gunna)、「オフ-ホワイト c/o ヴァージル アブロー(OFF-WHITE c/o VIRGIL ABLOH)」のランウエイを歩いたオフセット(Offset)らの姿もとらえた。
この界隈とその熱狂的なファンらしき人たちの間で流行っていたのは、目出し帽とバンダナやスカーフで頭を巻くスタイル。デモが続くパリで職務質問されても不思議ではない格好だが、凍てつく寒さから身を守るためなのか、「グッチ(GUCCI)」のスカーフを頭に巻いたエイサップ・ロッキー(A$AP Rocky)のスタイリングが話題になった影響なのかどうかは分からないが、「ルイ・ヴィトン」の最新コレクションでもスカーフをなびかせるヘアアクセサリーが登場していたほどだった。