米時計大手のフォッシルグループ(FOSSIL GROUP以下、フォッシル)が、スマートウオッチ技術に関する知的財産権を4000万ドル(約43億円)でグーグル(GOOGLE)に譲渡する。この取引はフォッシルが開発中の技術の他、同社の研究機関に所属する社員の移籍も含み、1月末には完了する見込みだ。
知的財産権の詳細は明らかになっていないが、グレッグ・マッケルビー(Greg McKelvey)=フォッシル エグゼクティブ・バイス・プレジデント(EVP)兼チーフ・ストラテジー&デジタル・オフィサーによると、フォッシルが2015年に2億6000万ドル(約280億円)で傘下に収めたミスフィット(MISFIT)の特許技術に関連した技術を譲渡したという。ミスフィットはデザイン性の高いアクティビティートラッキング機能に定評があることから、ヘルスケアに関連する技術とみられている。
フォッシルとグーグルは4年程前からWear OSの開発でパートナーシップを組んでおり、友好関係にあるとマッケルビーEVPは強調する。「フォッシル社内で長期目標を設定し、プロダクトのロードマップを策定するにあたってヘルスとフィットネスに関する技術が今後の柱となるとにらんだ。これらのカテゴリーの需要は非常に高く、3~5年後にはみんなにパーソナルアシスタントがつく時代が来るだろう。それはSiri(アップルが開発したAIアシスタント)かもしれないし、グーグルアシスタントかもしれないし、それ以外の何かかもしれない。グーグルはこの分野に関して豊富な経験とノウハウがあるため、よりいっそう強いパートナーシップを結ぶことを決めた」と説明した。
グーグルがフォッシルの技術を獲得した後には、Wear OSに携わる他のパートナーとのプロジェクトにも同技術が転用されることになる。