シチズン時計と、コネクテッドウオッチを中心とするIoT製品・サービスを開発するヴェルト(東京、野々上仁・社長)は、IoT分野およびモバイルアプリケーションの新サービス開発・販売・運営、またコネクテッドウオッチの製造・販売を目的とした資本業務提携を21日付で結んだ。シチズンの出資額は約3億円で、ヴェルトが第三者割当増資により株式を発行した。ヴェルトは2012年の創業で、時計とテクノロジーを融合させ、クラウドシステムと連携した製品・サービスを手掛ける。シチズンが腕時計分野でIoTサービスに参入するにあたり、ヴェルトの強みを生かして新ビジネスを運営することを目的に資本業務提携が締結された。今回の提携による業務内容は以下の2つ。
1つ目は、IoTプラットフォーム「リバー(Riiiver)」の開発だ。「リバー」はシチズンが今夏開始予定の新サービスで、腕時計をはじめとするさまざまなデバイスを基点にヒト・モノ・コトをつなぐ。企画の一部と開発・運営全般をヴェルトが担う。
2つ目は、「リバー」に完全対応する新コネクテッドウオッチ“ヴェルト ラクスチュア(VELDT LUXTURE)”の製造・販売。モデル名はLUX(光)とFUTURE(未来)を掛け合わせた造語で、ヴェルトが19年度中に発売予定の同モデルの製造・販売の一部をシチズンが担当する。従来のコネクテッドウオッチは盤面にデジタルデータが表示されるが、“ヴェルト ラクスチュア”はシンプルかつアナログな3針デザインで、木漏れ日や暖炉の炎などから着想を得た間接照明“ヴェルト・フレア”を文字盤上で光らせることで、電話やメールの着信通知、天気、スケジュールなどの情報を表示するという。
シチズンは、3月10日から米国・テキサス州で開催される世界最大級の音楽・映画・インタラクティブの祭典「サウス・バイ・サウスウエスト(SXSW)」で「リバー」を正式発表する予定で、“ヴェルト ラクスチュア”も出品する。