女優のカトリーヌ・ドヌーヴ(Catherine Deneuve)がオークションハウス、クリスティーズ(CHRISTIE'S)に出品した「イヴ・サンローラン(YVES SAINT LAURENT)」のコレクションの落札総額が100万ドル(約1億900万円)に達した。
パリ・オートクチュール・ファッション・ウイーク中の1月25日に開催されたオークションには、ドレスやアクセサリー129点が出品された。その90%が落札予測額の数倍の値が付いたという。落札最高額は、1977-78年秋冬シーズンに発表された“ロシアン・コレクション(Russian collection)”のクチュールピースで、シフォンブラウス、スカーフ、タフタ素材のスカートのアンサンブルが落札予想額の10倍の値が付き5万9745ドル(約650万円)だった。
ドヌーヴが映画監督アルフレッド・ヒッチコック(Alfred Hitchcock)らと出席した映画試写会の際に着用した1969年の春夏コレクションのビーズフリンジが全面にあしらわれたイブニングドレスは、落札予想額3400~5700ドル(約37万~62万円)に対して4万8365ドル(約527万円)で落札された。また、1997-98年秋冬に発表したセーブルがあしらわれた黒のベルベットジャケットは10カ国から入札が入った激戦アイテムで、落札予想額900~1350ドル(約9万8000~14万7000円)に対して3万8407ドル(約418万円)で落札された。イヴ・サンローラン美術館(Musee Yves Saint Laurent)は、1972-73年秋冬コレクションで披露したブラックシフォンのカクテルドレスなど3点を事前落札した。
クリスティーズによるとオークション前に開催されたプレビュー(下見会)には4500人が訪れたという。また、プレビューに先立って開催したドヌーヴのトークセッションでは涙を流す参加者もいたという。
予想を上回る落札額や大盛況だったプレビューについてドヌーヴは、「プレビューやオークションは私にとって初の体験であらゆる意味で予想以上だった。イヴ・サンローランの才能に敬意を表し、素晴らしい図録を作り美しい展示をしてくれたクリスティーズに感謝したい。落札した新しいオーナーには私と同じくらいアイテムを楽しんでもらえるとうれしい」とコメントした。
オンラインで競売にかける140点については1月30日0時(現地時間)まで入札を受け付ける。