ダウンを軸としたアウターブランド「シックス バイ ワン コペンハーゲン(6×1 COPENHAGEN)」が、2019-20年秋冬にデビューする。ファーストシーズンは、北欧のデザインチームや建築スタジオ、東京のデザイナーが手掛けた3ラインで構成する。生産管理を日本のカジュアルメーカーが担っているため、デザインとともに素材や縫製の品質の高さも売りだ。18-19年秋冬は暖冬にも関わらずプレミアムダウンが百貨店やセレクトショップで好調だったことを受け、新しいダウンブランドを探すバイヤーの声に対応する。
19-20年秋冬は、北欧を中心としたデザインチームが手掛けるベーシックな商品群の“ジェット”ラインと、スウェーデン・ストックホルムの建築スタジオ、クラーソン・コイヴィスト・ルーネ(Claesson Koivisto Rune)との協業ライン、「ミュベール(MUVEIL)」デザイナー中山路子が手掛ける大人の女性に向けたブランド「M」との協業ラインの3つでスタートする。20-21年秋冬には他にも協業ラインが加わって、合計で6ラインになる予定という。
“ジェット”ラインは北欧の家具や食器に通じるような、温かみがありながらミニマルなデザインがそろう。伸縮性のあるジャージー素材やペーパータッチの軽い生地をダウンと組み合わせており、どのモデルも腰の部分に付いたポケットの中に畳み込むことが可能。簡単に持ち運びができる。持ち物が整理しやすいよう、ポケットは他にもたくさん付けている。自宅で洗濯もできる。価格は8万~9万円台が中心で、フードにファーを取り付けたウィメンズのコートは11万8000円。
スウェーデンの建築スタジオとの協業ラインでは、曲線の切り替えによって、シンプルな中にアクセントを効かせたブルゾン2型を企画。頭を包み込むような立体的なフードもポイントだ。同スタジオはインテリアやインダストリアルデザイン分野では認知が高いが、ファッションブランドと協業するのは初という。
「M」との協業では、マントやフライトジャケット、テーラードコートといったベーシックアイテムとダウンウエアをドッキングした。「これまで、『ミュベール』で装飾的なダウンアウターをデザインしたこともあるが、今回は、“いいものを長い間大切に使い続ける”といった北欧の考え方に共感し、10年後でも着続けられるような、引き算のデザインを心掛けた」とデザイナーの中山は話す。
「18-19年秋冬はダウンアウターがヒットしたが、市場には(『ザ・ノース・フェイス(THE NORTH FACE)』や『カナダグース(CANADA GOOSE)」などの)ギア寄りのダウンブランドが浸透している。ファッション側からアプローチするブランドとしてアピールする」と、セールスを担当するエスアンドティー ショールームの浅野貴宏。
ファーストシーズンは、百貨店やセレクトショップへの卸販売やポップアップイベントの開催を目指す。ポップアップイベントでは北欧の食器などもそろえ、ライフスタイルを提案する。シーズンの販売目標は卸金額で2億円。まずは秋冬だけのアウターブランドとして開始し、日本国内のみで販売。21年以降は春夏物にも商品を広げる可能性があり、販路もグローバルに拡大を目指す。