「ゾゾタウン(ZOZOTOWN)」を運営するZOZO(旧スタートトゥデイ)は1月31日、通期見通しの下方修正を発表した。下方修正の理由は、200億円の目標を立てたプライベートブランド(PB)事業が125億円の赤字を計上していること、“ゾゾスーツ”による「ゾゾタウン」への波及効果がほとんどなかったこと、広告事業の立ち上げが遅れたことだ。
具体的には、商品取扱高が3600億円から3270億円(前期比20.9%増)、売上高が1470億円から1180億円(同19.9%増)、営業利益が400億円から265億円(同18.9%減)、純利益は280億円から178億円(同11.7%減)へ修正する。中長期計画に対する影響も現在精査中とした。
第3四半期終了時点で22億5000万円の売り上げにとどまったPB事業に関しては、大幅な見直しを図る。具体的には“ゾゾスーツ”の活用をビジネススーツ購入時、新市場の体型データ取得、キッズサイズなどの限定的な利用にとどめる他、ヒット品番を狙った商品ラインアップの立て直しを実施する。今後は新しい体型予測エンジンを今期末に実装予定で、カジュアルアイテムについては“ゾゾスーツ”による計測の必要なく購入が可能になるという。PB事業について前澤友作・社長は、「高リスク高リターン事業として開始したPB事業だが、まずは他企業との協業も視野に低リスク中リターンによる収支トントンを実現し、将来的には中リスク高リターンの高利益率事業化を目指す」と話した。
会見では昨年12月25日にスタートした有料会員サービス「ZOZOARIGATOメンバーシップ」にまつわる大手企業のZOZO離れにも言及。全商品の販売を見送ったショップは1月31日時点で全1255ショップ中42ショップで、ここにはオンワードホールディングスも含まれるというが、取扱商品高ベースでは全体の1.1%と影響は軽微であることを強調した。「オンワードホールディングスとはこれまで一緒に頑張ってきたので、もちろん残念ではあるが、ビジネスなので意見の食い違いに関しては仕方ないと、ある意味ドライに捉えている。むしろこれまで実店舗などでは会員カードによるポイント還元が当たり前に行われてきたわけで、なぜECモールでなかったのかという意見もある。施策に関しては割引価格を表示するかどうかを2月中に改修するようにするので、混乱も収束していくモードだ」と前澤社長。
なお、同社の2018年4〜12月期決算は、商品取扱高が前年同期比19.3%増の2350億円、売上高が同26.6%増の897億円、営業利益が同12.4%減の206億円、純利益が同16.1%減の136億円で、増収減益だった。広告事業の開始による粗利益率の改善や商品取扱高の拡大に対し、海外事業のための人件費や“ZOZOSUIT”配布にまつわる広告宣伝費用などのコストが影響した結果だ。