ダイヤモンド最大手のデビアスが合成ダイヤモンドの事業に本腰を入れ始めた。合成ダイヤモンド「ライトボックス・ジュエリー(LIGHTBOX JEWELRY以下、ライトボックス)」は2月8日、米・ロサンゼルスのショッピングセンター(SC)ウエストフィールド・センチュリー・シティー(WESTFIELD CENTURY CITY)でポップアップショップをオープンする。同ブランドはデビアスが昨年9月にスタートさせ、傘下のメーカーであるエレメント・シックスが生産している。小売価格は0.25カラットが200ドル(約2万1000円)で1カラットが800ドル(8万7000円)だ。
「ライトボックス」はオンラインで販売しているが、昨年11月にニューヨークの大型SCのオクルス・ショッピングセンター(OCULUS SHOPPING CENTER以下、オクルス)でポップアップを期間限定でオープンした。ウエストフィールドのポップアップは約37平方メートルで、在庫を持ち直接消費者に販売する。また、同ブランドでは初のファンシーシェイプであるハートシェイプの合成ダイヤモンドのネックレスとイヤリングを発売する。14日までの会期中には、話題作りのためさまざまなイベントを開催する。
「ライトボックス」はエレメント・シックスのオレゴン州の工場が完成する2020年には卸販売も予定しており、ポップアップなどを通してブランドの認知度アップを図っている。卸の販路が確立したら実店舗出店の可能性もある。
スティーブ・コー(Steve Coe)=ライトボックス最高経営責任者(CEO)は、「eコマースの売り上げが好調で満足している。それから学ぶことも多いし、(オクルスの)ポップアップショップは消費者の『ライトボックス』に対する印象を理解するのに大変役立った。しかし、ポップアップとさまざまなSNSの意見から、合成ダイヤモンドはいったい何かという混乱が見られるのは確かだ」と述べている。サリー・モリソン(Sally Morrison)=ライトボックス・チーフ・マーケティング・オフィサーは「多くの消費者が、天然ダイヤモンドと合成ダイヤモンドがどのように違うのか理解していない。予想はしていたが、実情がよく分かった」とコメント。その違いを消費者に理解してもらうための啓発活動をオンラインで行い、実店舗ができれば販売員教育にも関係してくるだろう。「実店舗では消費者とより深い会話が可能で、どのような疑問があるか洗い出すことができる」とコメント。
ライトボックスはニューヨークとカリフォルニア以外の米国でポップアップ出店を検討中だ。