宇都宮パルコが5月末で撤退すると、地元紙の「下野新聞」などが報じた。パルコ広報部は「いろいろと検討しているのは事実だが、現時点では何も決まっていない」と否定している。ただ、ある主要テナントの幹部は「われわれの店舗はすでに5月末で退店することを決めている」と語っており、撤退に向けて動いていることは間違いないようだ。
宇都宮パルコは市街地中心エリアを代表する大型商業施設の一つで、1997年に開業した。地上10階、地下1階の11フロアで、売り場面積は約1万5000平方メートル。宇都宮パルコのある馬場町は商業エリアの中心地で、かつては西武百貨店などの数多くの大型商業施設があったものの、郊外に大型モールが誕生し、00年以降は撤退が相次ぎ、空洞化が進んでいた。このテナント幹部は「宇都宮パルコもピーク時には売上高が100億円を超えていたと思う。テナントによってはかなりの好成績を上げていた」と振り返る。ただ18年3〜11月期の売上高は前年同期比29.3%減の16億2700万円、直近の19年1月は同38.2%減と大幅な減収に見舞われており、15・16年度、18年度に減損損失を計上していた。