資生堂の2018年12月期連結決算は、投資強化を続けているプレステージブランドが全体をけん引し、売上高が前期比8.9%増の1兆948億円だった。利益面も収益性の高いプレステージブランドが寄与し、営業利益が同34.7%増の1083億円、経常利益が同36.3%増の1094億円、純利益が169.9%増の614億円と、全てにおいて過去最高値を更新した。また、中期経営計画が掲げていた営業利益1000億円超を2年前倒しで達成した。
事業別の売上高は、日本事業が同9.0%増の4545億円だった。マーケティング投資を強化した中高価格帯のブランドが、国内客やインバウンド客を獲得して好調を継続。強みであるスキンケア、ベースメイク、サンケアの“肌3分野”に注力した他、「SHISEIDO」の美容液「アルティミューン パワライジング コンセントレートN」やメイクアップ商品の刷新を機に、若年層に向けたマーケティング強化を実施し売り上げ拡大につながった。
中国事業は同32.3%増の1907億円。「SHISEIDO」「クレ・ド・ポー ボーテ(CLE DE PEAU BEAUTE)」や「イプサ(IPSA)」などのプレステージブランドが高成長を持続。“日本製”の強みを生かし「エリクシール(ELIXIR)」「アネッサ(ANESSA)」なども伸長した。
その他、米州事業は同1.8%減の1317億円、欧州事業が4.3%増の1131億円、アジアパシフィック事業が同13.9%増の681億円、プロフェッショナル事業が同57.6%減の203億円、トラベルリテール事業は同34.7%増の876億円。世界各地の空港での広告宣伝など積極的なマーケティング効果により、韓国や中国、タイなどアジアを中心に「SHISEIDO」「クレ・ド・ポー ボーテ」「NARS」「アネッサ」が前年を大きく上回った。その他が同0.8%増の285億円だった。
19年12月期連結売上高は前期比7%増の1兆1720億円、営業利益が同10.8%増の1200億円、経常利益が同9.6%増の1200億円、純利益が同23%増755億円を目指す。