シャツ地イタリア最大手のアルビニ・グループ(ALBINI)は、ニュージーランドのオリテイン(ORITAIN)社と協業し、コットンが育った土地からシャツ地になるまでの工程をすべてトレースできるオーガニックコットンシャツ地を「ミラノ・ウニカ(MILANO UNICA)」で発表した。12~14日に開催されるパリ「プルミエール・ヴィジョン(PREMIERE VISION)」でも展示される。
これは科学的手法を用いて産地証明を提供するオリテイン社の技術を用いて、高級綿として知られるスーピマコットンが育った土地を識別することができるというものだ。これにより、使用するコットンの畑までを特定することができる。
通常の綿花栽培は大量の水と化学肥料、農薬が必要とされ、環境負荷が高いと問題視されている。また、農家の人々の健康にも影響を与えている。
ステファノ・アルビニ(Stefano Albini)社長は、「透明な生産を証明できる。コットンには指紋のようなものがあり、土地や空気、水などどのような環境で育ったかもわかる。昨年11月から、ケリング(KERING)との取引が始まっている」と話す。
アルビニ・グループはZDHC(有害化学物質排出ゼログループ)に属し、17年からはベターコットンイニシアチブ(BCI)と共に、サステイナブルコットンの開発を進めている。また、同社の工場は太陽光や水力、風力といったクリーンエネルギーでの発電を行っている。最新機械を導入し、染色時の水の使用量を30~40%削減し、排水は高レベルで浄水している。現在、水を用いないスプレー染色の開発にも取り組んでいる。
アルビニ・グループの2018年度の売上高は、前期比3%増の1億5300万ユーロ(約189億7000万円)。よりサステイナブルな経営を目指すため、3000万ユーロ(約37億2000万円)を投じ、43人で構成するチームで、エネルギー効率の向上や新しい糸の研究、AI技術の開発を行っている。