三陽商会は、画像AI(人工知能)エンジンを用いた流行解析サービスを展開するファッションポケット(東京、重松路威・社長)と業務提携を結んだ。AI活用で売り上げと粗利益の最大化、在庫の適正化を目指す。
三陽商会は成長戦略の柱としてデジタルトランスフォーメーションを掲げている。昨年10月にはAIの社会実装事業を展開するABEJA(東京、岡田陽介・社長)と業務提携を結んだ。今回の業務提携も含め、AIによる企画精度の向上を重要施策と位置付け、プロパー消化率の向上、機会ロス、値引き、余剰在庫の抑制に本腰を入れる。
ファッションポケットは世界初のファッショントレンド解析サービス「AI MD」を展開。ソーシャルメディアを含む世界中のファッションメディアから最新の流行の情報、写真を世界各地のリモートコンピュータで自動収集した大量のビッグデータ画像を解析し、カラーや着こなしのトレンドを予測できる。三陽商会は「AI MD」を2019-20年秋冬物から婦人服の全ブランドで展開する予定だ。
三陽商会の岩田功・社長は「AIテクノロジーにより可視化することで、商品企画の精度を高め、当社が持つ上質なモノ作りに生かすことができる」と期待を寄せる。ファッションポケットの重松社長は「『AI MD』がわが国を代表する老舗ファッションカンパニーに商品企画の最前線に取り入れられることで、世界に先駆けたMD改革やワクワクする商品作り、ならびにプロパー消化率の向上の実現に少しでも寄与できれば」とコメントした。