「ローベリイテ アンド シーオー(ROBELITE AND CO.)」は、2019-20年秋冬にスタートするウィメンズブランド。ワールドの「ドレステリア(DRESSTERIOR)」、サザビーリーグ傘下のファーイーストカンパニーの「アルアバイル(ALLUREVILLE)」などで企画やディレクターを務めてきた田口直見が、独立して立ち上げた。生産や販売を担うのは、メンズODM(相手先ブランドの設計)を中心としたメーカーのアイスウィンジャパン(東京、毛盈軍・社長)だ。セレクトショップや百貨店自主編集売り場への卸販売を目指す。
スタンダード、モード、ドレスの3ラインで構成する。田口がもともとマニッシュなアイテムを得意としていることから、かっちりとしたテーラードコートやトレンチコート、ブレザーなどが充実している。イタリアの高級生地メーカー、コロンボのウール・カシミヤなど、素材は「6~7割がインポート」という。長崎県のメンズ工場で縫製するシャツは、非常に縫い目が細かく端正な印象。セットアップの提案も多く、仕事のパーティーや家族の行事など、大人女性のさまざまなシーンに対応する。価格はコートが8万~14万円、シャツが3万~4万円。
「すごくスタンダードだけど、着たらやめられないという服を作りたい」と田口。分量感たっぷりのウールコートも、肩に均等に荷重がかかる作りをパタンナーと追求し、着用時に「重い」と感じさせないようにした。セレクトショップのディレクターであった経験から、「ショップ側がオリジナルでは作れないアイテムが分かる」という点も強み。「(セレクトのオリジナルは)不特定多数に売るためにデザインのさまざまな部分で遠慮をする。このブランドでは、色使いや丈、シルエットなど、思い切ったことをやりたい。でも、やり過ぎにはしない」。そのさじ加減が、経験のなせる技だ。
同ブランドのような大人向けの上質服は、ウィメンズのファッションマーケットにおいてここ数年注目を集めている。先行しているのは、吉武味早子の「ブラミンク(BLAMINK)」、酒井紀子の「エブール(EBURE)」など。どちらも16年にスタートしており、2人共有力ショップやブランドの敏腕ディレクター、デザイナーとして長年経験を積んできた女性だ。50歳前後の今の大人世代は、従来のミセス服をテイスト的に好まない。だからといって、20~30代向けの服では質感やパターンに不満がある。そんなニーズを汲んで支持を広げている。「ローベリイテ アンド シーオー」も、そういった大人市場への仲間入りを目指す。