英国ファッション協議会(British Fashion Council、以下BFC)は、第2回「英国デザイン クイーン エリザベスII アワード(Queen Elizabeth II Award)」を、「べサニー ウィリアムズ(BETHANY WILLIAMS)」を手掛けるべサニー・ウィリアムズが受賞したと発表した。同ブランドはロンドンのメンズ・ファッション・ウイークに参加しており、1月に2019-20年秋冬物を発表しているが、受賞を記念して2月19日に改めて秋冬物を披露する。英国王室を代表し、チャールズ皇太子妃であるコーンウォール公爵夫人カミラ殿下が臨席する。
同賞は「ファッション産業が社会や外交(貿易)に与える役割を認識し、持続可能な取り組みやコミュニティーとの関わり合いを通して社会に変革をもたらすことができる、才能ある若手デザイナー」を表彰するもの。べサニーは、ホームレスやドメスティック・バイオレンス被害者の女性などが入居するシェルター、また刑務所などと組み、そこでモノ作りを行っていることで知られる。ファッションを通し、社会的弱者のエンパワメント、犯罪者の社会復帰を後押ししており、まさに同賞の理念にピッタリな存在だ。
気骨あるフィロソフィーを持ちつつも、服自体には重苦しさはなく、刺しゅうをポイントにしたストリートムードなスタイルがそろう。そうした軽やかさと社会に対する働きかけの両立が、「この世代のデザイナーたちを象徴する一例である」と、キャロライン・ラッシュ(Caroline Rush)BFC最高経営責任者はコメントしている。
同賞は18年に新設された。同年2月に発表された第1回は、リチャード・クイン(Richard Quinn)が受賞。リチャードは19-20年秋冬から「モンクレール ジーニアス(MONCLER GENIUS)」への参加も決まり、注目が高まりつつある。昨年はエリザベス女王自身がリチャードのショーに臨席し、表彰したことでも話題になった。エリザベス女王のロンドン・ファッション・ウイークへの参加はこれが初だったという。今年も女王自身が臨席するのか、それとも、代理でキャサリン妃やメ―ガン妃が来るのかと期待されたが、その点はカミラ妃でやや残念というのが正直なところ。