「トーガ(TOGA)」は、ロンドン・ファッション・ウイークで2019-20年秋冬物を発表した。会場に選んだのは、地域住民向けのレジャーセンターという体育館。サイクリングパンツが登場した前シーズンに続き、会場選びからして今季もスポーツムード全開かと思いきや、出てきたルックはぐっとシックな印象だ。この間トレンドとしてストリートスタイルが続いていたが、エレガンスへの回帰はここにきて決定的。ただし、カジュアルに慣れた身には直球のエレガンスはハードルが高い。その点からいって、「トーガ」のエレガンスのハズシ方は参考になるポイントが豊富だ。
冒頭は、オーバーサイズのテーラードジャケットを主役にしたスタイル。幅の太いピークトラペルをポイントにした正統派ジャケットに、長靴風のニーハイブーツやモダンアートのようなブローチを合わせてポイントにする。ジャケットにスラックスを合わせた王道のマニッシュルックは、ウエストベルトからチェーンで吊ったサイハイブーツやランジェリーのチラ見せといった要素で遊びを加える。全体的に、ボトムの丈が短くなって、軽快な雰囲気が強まっているのも特徴だ。
ゴージャスなフェザー使いも今季のポイント。フェザーとオーガンジーを組み合わせたブラウスは、あえてサスペンダーパンツと合わせてカジュアルダウンする。フェザーを飾ったテーラードジャケットは、ウールではなくダイバースーツに使うような素材感。ブーツやギャザーシューズはポインテッドトーのきれいめな印象ながら、スニーカーソール製。そんな風に、そこかしこにエレガンスとカジュアルのせめぎ合いがある。