ニット服のOEM(相手先ブランド生産)を手掛けるインプルーヴ(神戸市、鈴木弘美・社長)は2月から、1型10枚までの超少量専門の受注サービス“10ピースニットファクトリー”を開始した。素材選定のアドバイスや編み地のプログラムなども含まれており、生産枚数に関わらず価格は20万円から。納期は45〜75日で、量産に移行する場合は5万円でプログラムデータを譲るオプションもある。
小規模のブランドやアパレルから小ロット生産のニーズは根強く存在する一方、ニット製品は編み地のプログラムに専門的な技術と時間が必要とされるため、実際には工場側の利益を考えると難しかった。同社は廃業したニット工場から島精機製作所の編み機2台を引き取り、大阪府泉大津市内の小規模工場に設置し、生産を委託。アイテムを限定することで実現にこぎつけた。編み機はそれぞれ7ゲージと12ゲージ(糸の太さを示す単位)で、生産はいわゆるミドルゲージのベーシックなニットアイテムになる。