伊藤忠商事は、米国発の世界最大級の法人向けアパレルECサイト「ジョア(JOOR)」に出資する。出資額は10億円規模と見られる。ジョアは「バレンシアガ(BALENCIAGA)」「サカイ(SACAI)」「サンローラン(SAINT LAURENT)」「マーク ジェイコブス(MARC JACOBS)」「ベルルッティ(BERLUTI)」「クロエ(CHLOE)」「バルマン(BALMAN)」「フリーピープル(FREE PEOPLE)」「マルニ(MARNI)」「ロエベ(LOEWE)」など8600ブランドが使用する卸売り用のECサイトで、ユーザーとなる小売店は百貨店など144カ国・20万ユーザーを抱え、年間の流通額は1兆円を超えるという。
ジョアは今秋をメドに日本法人の設立を計画しており、伊藤忠は日本市場での独占的な戦略パートナーとして日本のブランドと小売り、双方の企業の開拓を担う。伊藤忠は総合商社の中でもブランドビジネスで圧倒的なシェアを有しており、ジョアと組むことで、国内外の有力ブランドとの結びつきをさらに強める。
また、伊藤忠はECやIoT(モノのインターネット化)、サステイナブル素材などの新規事業への投資を積極化しており、3年間で500億円を投じ、純利益で100億円の創出を掲げている。
ジョアは2010年にスタート。ニューヨークに本社があり、LAとフィラデルフィア、パリ、ロンドン、ミラノ、マドリード、メルボルンに拠点を持つ。今回のシリーズCとなる調達ラウンドで、伊藤忠をリードインベスターに1600万ドル(約17億6000万円)の資金調達に成功。これまで3600万ドル(約39億6000万円)の資金調達を行っている。