1月15~20日まで開催されたパリ・メンズ・ファッション・ウイークでは、いくつかのブランドのバックステージ取材をしました。スタッフの緊張感や現場の雰囲気がブランドごとに全然違っていたのが印象的でしたが、もうひとつ気になったのがケータリングで提供される食事です。ショー開始の約5時間前からスタッフやモデル、ヘアスタイリスト、メイクアップアーティストが現場に集合して準備を始めるため、エネルギー補給のための食事はとっても重要。どのブランドがどんなケータリングを準備しているのか、調査&試食してきました!
「ジェイ ダブリュー アンダーソン(JW ANDERSON)」
ホテルのビュッフェ朝食風
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早朝に集合がかかった「ジェイ ダブリュー アンダーソン」のケータリングは、チキンとキヌアのサラダ、サンドイッチ、ヨーグルトとグラノーラ、マフィンやレモンパイなど、ホテルの朝食のようなメニュー。人気だったのは温かいトマトスープで、モデルのニックスは「ケータリングでスープは珍しい」と、眠い目をこすりながらもご満悦の様子でした。提供したケータリング会社(もしくはレストラン)は不明でしたが、味は可もなく不可もなくでした。
「ベルルッティ(BERLUTI)」
人気レストランの幅広いレパートリー
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「ベルルッティ」が用意したのは、ベルギーで創業したベーカリーレストラン「ル・パン・コティディアン(LE PAIN QUOTIDIEN)」の朝食です。パン5種類、マフィン5種類、キッシュ、さらに同店の名物でありベルギーやフランスの朝食の定番でもあるタルティーヌ(パンの上に野菜やチーズをのせたもの)が豊富に並んでいました。パリ市内に15店舗を構える人気チェーン店だけあり、味は安定しておいしかったです。
「アンダーカバー(UNDERCOVER)」
日本の食パン文化がパリでプチブーム
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私が到着したころにはすでに品切れが多く、ほとんど写真が撮れないほど人気だったのは「アンダーカバー」のケータリング。東京・銀座にある食パン専門店「セントル ザ・ベーカリー(CENTRE THE BAKERY)」が2017年11月にパリにオープンさせた「キャレ・パン・ド・ミ(CARRE PAIN DE MIE)」のサンドイッチです。食パン文化のないフランスでプチブームを起こしている同店のパンですが、特にカツサンドが大人気のようでした!マレ地区にある店舗にはカフェスペースも設けており、周辺にショールームが集まっていることもあって、ファッション・ウイーク中には業界人で大にぎわいです。
「ジャックムス(JACQUEMUS)」
文句なしの“ベストケータリング賞”
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招待状に「一緒に朝食を」と書かれた「ジャックムス」のショー会場には、漫画で描かれるような大きなチーズ、パン、ジャム、フルーツなどが準備されていました。仏テレビ局カナル・プラス(CANAL+)で料理番組を持ち、プライベートイベントのシェフやケータリングも行うフランス系アメリカ人のアリックス・ラクロシュ(Alix Lacloche)が手掛けた料理とあって、味もハイクオリティ!ランウエイが終わると来場者にも提供されていました。ケータリング兼会場セットということで、かなり豪華なのも納得です。サーブするウェイターもモデルのようにイケメンでプラスポイントということで、(勝手に)“ベストケータリング賞”を贈ります!
ELIE INOUE:パリ在住ジャーナリスト。大学卒業後、ニューヨークに渡りファッションジャーナリスト、コーディネーターとして経験を積む。2016年からパリに拠点を移し、各都市のコレクション取材やデザイナーのインタビュー、ファッションやライフスタイルの取材、執筆を手掛ける