衣装生産プラットフォームを運営するシタテル(熊本市、河野秀和・社長)は、前田建設工業が2月15日に茨城県取手市に開設した総合イノベーションプラットフォーム「ICI総合センター(以下、ICI)」のユニホームを監修した。
前田建設はベンチャー企業との会社の枠を超えて知見を取り込むオープンイノベーションなどに取り組んでおり、シタテルをはじめ新業態を展開する企業とパートナーシップを結んでいる。“知のネットワーク”を備えた価値創造の場となることを目的に開設されたICIにはさまざまな人が出入りするため、同社社員であることを一目で識別できるようにとユニホームの製作に至った。
ブランドや企業と生産工場のマッチングを行うシタテルがコーディネートし、島精機製作所の「ホールガーメント」を使用したニットジャケットを製作。立体的に編み上げる無縫製の「ホールガーメント」技術により、肩まわりの突っ張りなどのストレスを感じない着心地を実現した。カラーはダークグリーンで、ポケット下には社員一人一人のプロフィールサイトに移動するQRコードを縫い付け、コミュニケーションを活発にさせる。
シタテルが運営する情報提供ウェブサービス「ウィア(WEARE)」では、前田建設とパートナーシップを結ぶ4社の代表者が“衣服×テクノロジー”をテーマに語るインタビューも公開している。シタテルの河野社長は「島精機のような日本の高い技術力に、クリエイティブを足して具体化するという役割を果たしたいと考えている。今回も前田建設の思いとテクノロジー、クリエイティブがうまく重なり形になった」とユニホーム製作について語った。
前田建設の上田康浩・ICI総合センター先進技術開発センター長は「このワークウエアを着ることでモチベーションが上がって、たくさんのアイデアを創出してもらいたい」と話す。その他、島精機の小川靖夫・東京支店長兼東日本支店長、京都の西陣織の帯工場として創業し現在は導電性と洗濯耐久性に優れた銀繊維を活用した着用型デバイスやアプリを開発するミツフジの三寺歩・社長、国際スタイリングカウンセラー協会の澤木裕子・代表理事が参加し、衣服とテクノロジーの可能性について語っている。