眼鏡ブランド「ゾフ(ZOFF)」が2月21日、2001年のブランドの創設以来初の展示会「ゾフ・トウキョウ・ショーケース」を、外苑前のショールーム「ゾフ デザイン スタジオ」で開催した。SPA(製造小売り)で卸売りはしていないため、外部向けの展示会は行ってこなかったが、対象年齢層の幅の広がりや、機能性に加えてファッションとリンクしたトレンド性の高い商品を拡充している最新の状況をデベロッパーやメディアに理解してもらいたいとの思いから開催を決定。新作を中心に約300種類を紹介した。展示会に合わせて東京を象徴する場所をムービーも撮り下ろした。
「ゾフ」を手がけるインターメスティックの高島郷クリエイティブデザイン室プロデューサーは、「01年に下北沢に1号店をオープンした当時は20~30代の若者中心に支持をいいただいた。お客さまも年を重ねられ、今の『ゾフ』の中心顧客層は30代、40代、50代と幅が広がっている。とくに昨年からキッズ、大人、さらにはシニア層まで3世代にわたるお客さまとのコミュニケーションを強めてきた。創業以来持ち続けてきた、SPAという形で5000円、7000円、9000円でもしっかりとした良い商品を提供していきたいという思いや、子どもからシニアまで、そしてグローバルのお客さまに対して、新しい商品を常に展開していく姿勢や商品を、まずはデベロッパーの方々やメディアの方々にお披露目したいと考え、初めての展示会を開催した」と語る。
また、11年に販売を開始し、累計400万本以上を販売した軽くて柔軟で壊れにくい「ゾフ・スマート」を、素材や生産工程、歴代の商品などを現物やムービーで紹介する特設コーナーも用意。「『ゾフ・スマート』の進化の歴史と、丁寧なモノ作りによる商品力の高さを感じていただきたい」と続ける。
メガネのトレンドが変化、3大要素は「金属素材」「多角形」「薄いカラー」
眼鏡やサングラスのトレンドとして、04年ごろからビンテージとクラシックが長く続いてきたが、ストリートブームやアグリーファッション(ミニマルでクールなデザインと正反対のデコラティブなもの)といったファッショントレンドの変化により、メガネでも金属素材や、五角形・六角形などの多角形のフレームなどが増加している。
そうした中、「ゾフ」では今春夏、サングラスで540種類のフレームと50種類以上のカラーレンズを用意。“レトロ”“クラフト”フューチャー”“ファンクション”の4つのテーマを掲げて商品を展開する。カラーはライトグレー、ライトブラウンがおススメとのこと。
“レトロシリーズ”では、往年のセレブリティが着用したようなクラシックテイストのものを、現代版にアレンジ。80~90年代のスタイリングが楽しめる、ファッション性が高い商材をそろえた。
“クラフトシリーズ”では、従来はアメリカンクラシック風が主流だったが、ビンテージフレームをベースにメタル素材を使用した新定番のコンビネーションを提案する。
“フューチャー”では、台頭しているストリートスタイルとのコーディネートを意識。フレームにはステンレスシートメタルを使用し、レンズは薄いカラーやグラデーションとしてトレンド性を高めている。
“ファンクションシリーズ”では「ゾフ」のモノ作り力を発揮し、UVカットをバージョンアップ。クリアレンズでも紫外線を100%カットする「ゾフUV」を初めて開発した。また、偏光レンズ搭載で反射光をカットすることで目が疲れにくいものも投入。ファンクションの中で最も力を入れているという、メガネにマグネットでワンタッチでサングラスのレンズをつけられるナイト&デイの2ウェイのサングラスも打ち出す。
松下久美:「日本繊維新聞」の小売り・流通記者、「WWDジャパン」の編集記者、デスク、シニアエディターとして、20年以上にわたり、ファッション企業の経営や戦略などを取材・執筆。「ザラ」「H&M」「ユニクロ」などのグローバルSPA企業や、アダストリア、ストライプインターナショナル、バロックジャパンリミテッド、マッシュホールディングスなどの国内有力小売企業、「ユナイテッドアローズ」「ビームス」を筆頭としたセレクトショップの他、百貨店やファッションビルもカバー。TGCの愛称で知られる「東京ガールズコレクション」の特別番組では解説を担当。2017年に独立。著書に「ユニクロ進化論」(ビジネス社)