カール・ラガーフェルド(Karl Lagerfeld)氏の死去を受け、同氏が長年デザインを手掛けていた「シャネル(CHANEL)」製品の人気と価格が2次流通市場で急上昇している。
英フリマアプリ「ディポップ(DEPOP)」では、死去が発表された2月19日以降、“カール・ラガーフェルド”の検索数がおよそ20倍も増加したという。同社の広報担当者は、「グローバル検索の1位が “カール・ラガーフェルド”で、『シャネル』もトップ10に入った」と述べた。また、米大手リセールEC「イーベイ(eBay)」のルネ・パラダイス(Renee Paradise)=ファッション部門シニア・ディレクターは、「当社の検索や取引データには、カルチャーで起きていることがリアルタイムで反映される。世界中の人々がラガーフェルド氏を追悼してその偉業を振り返っているのと対応し、『シャネル』や『フェンディ(FENDI)』に対する関心が高まっていることがデータに表れている」と説明した。
ニューヨークのブランド古着店「ジェームズ・ベロリア(JAMES VELORIA)」のブランドン・ベロリア(Brandon Veloria)共同創業者は、「『シャネル』製品の問い合わせが増えており、需要が高まっている。特にパステルカラーのスーツやアクセサリーなどを含めた1990年代のものが人気だが、今後は手元の『シャネル』製品を大切に取っておく人が増えて供給が減ることが予想されるため、価格は上昇する一方だろう。当店でも重点的に仕入れていく」とコメントした。
ブランド品の米委託販売サイト「スレッドアップ(THREDUP)」のアシュリー・リケッツ(Ashley Ricketts)=ラグジュアリー部門マネジャーは、「ラガーフェルド氏の死去が発表されて以来、彼の名前での検索率は541%増、関連製品の検索数が791%増、購入率は58%増、平均購入数は265%増となった。今後、ラガーフェルド時代の『シャネル』や『フェンディ』製品の売り上げが急増することが予想されるが、委託数も増加するのではないかと思っている。アイコン的な定番やレア製品の価格が高騰するだろう」と言う。
米ビンテージショップ「ワット・ゴーズ・アラウンド・カムズ・アラウンド(WHAT GOES AROUND COMES AROUND)」のジェラルド・マイオン(Gerard Maione)共同創業者は、「ラガーフェルド氏が手掛けた新作がもう発売されない以上、既存品の需要が高まるのは自然の流れだ。みんなが欲しがるようになる上に、持っている人はそれを手放さなくなる。定番が愛され続けるのはもちろん、90年代の製品も時代遅れになることはないだろう」と述べた。
ブランド品の米委託販売店「ダブルテイク(DOUBLETAKE)」のレイチェル・トレシット(Rachel Tressitt)地域マネジャーは、「『シャネル』はラグジュアリーブランドの代表的な存在であり、値段が下がることはない。同ブランドのバッグや靴、アクセサリーはいつでも人気があり、中でも定番のキャビアスキンを使った製品は需要が高い。ラガーフェルド氏は、まさにレジェンドだった」と語った。