ハンカチやストールの老舗・川辺は2019-20年秋冬シーズンに、無染色のカシミヤストールブランド「ナチュラル ベーシック(NATURAL BASIC)」から新レーベル“オール ナチュラル ベーシック(OLU NATURAL BASIC)”をスタートする。同社は主に百貨店の平場向けに商品を展開しているが、専門店などに販路を広げるべく、厳選素材と共にこだわった技法や製法を取り入れたカシミヤストールを提案する。
「あらためて自分たちが本当に欲しいものは何かを考えながら作った。触れた瞬間の直感的な心地よさを提案した」と、中村純子・商品本部企画部第二担当課長スカーフマネージャーは語る。特に、丁寧な仕事が伝わるネパールのカシミヤヤギの繊細なストールが目を引く。カシミヤといえばモンゴル産が知られているが、ネパールのカシミヤヤギに偶然2年前に出合ったと中村課長はいう。「ネパールのものはほとんど日本に入ってきていない。柔らかさが格別。丁寧に半織り(機械を用いているが手動で織ること)しているため、200番手の細い糸で織ることができる。手仕事のため、ランダムなムラが出て、それが表情の豊かさにつながっている」と説明する。価格は3万8000円。そのほか、内モンゴルヤギの細やかなシボがあるパネル柄平織ストールが2万8000円、あざみ起毛のストール4万5000円などをそろえる。特に「オーナーが際立つ地方専門店からの引き合いが多い」という。
川辺は1923年に東京・日本橋橘町でハンカチーフの製造卸売業の川辺富造商店として創業。2018年3月期の売上高は162億円。「ナチュラル ベーシック」は、「製毛の段階が一番柔らかく、その柔らかさをそのまま届けたい」と、無染色の天然素材を用いたストールブランドとして2000年にスタートした。