米ギャップ(GAP)の2019年1月期決算は、売上高が前期比4.5%増の165億8000万ドル(約1兆8238億円)、営業利益が同7.9%減の13億6200万ドル(約1498億円)、純利益は同18.2%増の10億300万ドル(約1103億円)だった。
ブランド別の売上高では、「ギャップ」が同2.9%減の51億6000万ドル(約5676億円)、「オールドネイビー(OLD NAVY)」は同8.3%増の78億4000万ドル(約8624億円)、「バナナ・リパブリック」が同3.1%増の24億5600万ドル(約2701億円)だったが、既存店ベースで見るとそれぞれ同5%減、同3%増、同1%増だった。業績不振が続く「ギャップ」については、今後2年間でおよそ230店舗を閉鎖する。これによって年間6億2500万ドル(約687億円)程度の売り上げ損失となることが予想されており、閉鎖に伴う関連費用は2億5000万~3億ドル(約275億~330億円)かかると見込まれているが、年間9000万ドル(約99億円)ほどのコスト節約効果が期待されるという。
また同社は、好調な「オールドネイビー」を上場会社として独立させ、主力である「ギャップ」とその他の傘下ブランドの「アスレタ(ATHLETA)」や「バナナ・リパブリック(BANANA REPUBLIC)」などを擁する新たな上場会社を設立するという大胆な事業再編計画を発表した。「ギャップ」など複数ブランドを展開する新会社のトップにはアート・ペック(Art Peck)=ギャップ社長兼最高経営責任者(CEO)が就任し、「オールドネイビー」の新会社は引き続きソニア・シンガル(Sonia Syngal)=オールドネイビー社長兼CEOが率いる。
ロバート・フィッシャー(Robert Fisher)=ギャップ会長は、「事業を見直したところ、『オールドネイビー』のビジネスモデルや顧客が他のブランドとかけ離れてきており、今後は別の戦略が必要だと判断した。分離させることでそれぞれに合った経営方針や事業戦略を取り、顧客、従業員、そして株主に対して最大の価値を提供できるようになるだろう」と語った。こうした再編計画を好感し、決算発表後の2月28日の同社株価は前日比0.1%高の25.40ドル(約2794円)で終えた後、時間外取引で25.5%高の31.90ドル(約3509円)をつけるなど急伸した。