ファッションやヘアメイクなどの専門スクールを運営するバンタンは3月3日、バンタン卒業修了制作展「VANTAN STUDENT FINAL2019」をベルサール渋谷ファーストで行い、バンタンとパルコが主催するアジアの若手デザイナーを発掘・インキュベートするプロジェクト「アジアファッションコレクション(AFC)」の入賞ブランドの一部をランウエイショーで発表した。
AFCは今回が6回目で、審査に勝ち残った日本の3ブランド、韓国、台湾、タイの各1ブランドが、受賞者の特典として2019-20年秋冬ニューヨーク・コレクションに2月9日に参加し、地元ニューヨークのデザインスクールのパーソンズ・スクール・オブ・デザインの1ブランドも加わって計7ブランドでショーを開いた。
3月3日は、バンタンデザイン研究所出身の石田謙一さんのメンズブランド「ケンイチ(KENICHI)」に加えて、同時開催した中高生限定のファッションコンテスト「AFC U-18」で100点以上の応募の中からグランプリを受賞した上村透子さん(愛知県立知立東高等学校)の作品が披露された。上村さんは「服作りで苦労した点は、複雑なパターン。将来は、私が好きなブランド『ヨウジヤマモト(YOHJI YAMAMOTO)』と『アレキサンダー・マックイーン(ALEXANDER McQUEEN)』をミックスしたようなブランドを立ち上げ、世界で活躍したい」と話した。上村さんには副賞として、バンタンデザイン研究所ファッション学部の特待生入学資格と池袋パルコでの作品展示(4月5日~11日)の機会が与えられた。
石川広己・バンタン代表取締役会長は「AFC」について、「回を重ねるごとに成果を上げているが、課題もある。ファッションに興味を持ち職業に選ぶ若者が減っていると感じて、『AFC U-18』も設けた。『AFC』専用のプレスルームやショップを設置するなど、今後若手デザイナーたちが継続的に成長し、安定的なビジネスとなるようにサポートできるシステム作りを考えたい」と話した。「AFC」からは、これまでに「ダイリク(DAIRIKU)」、「アオイ ワナカ(AOI WANAKA)」、「フミク(FUMIKU)」などを送り出している。今回、ニューヨーク・コレクションに参加した作品は、4月5日から25日の期間、池袋パルコ本館2館に展示される予定だ。