高島屋は5日、日本橋高島屋S.C.を全面開業した。昨年9月にショッピンセンター(SC)の新館が開業して4館体制で営業していたが、今回、百貨店が入る本館の屋上庭園、車寄せ、資料館などの新設備の工事、ファッションの自主編集売り場などの改装が終わり、全てが完成した。3世代に対応した計6万6000平方メートルの都市型SCとして、全てが完成した。
3階の婦人服フロアにはパーティードレスを集めた自主編集売り場「ドレスアップクローゼット」を開いた。売り場面積200平方メートルに、ブライダルゲスト、レセプションパーティー、クルージング、女子会などを想定した国内外のブランドをそろえる。価格帯は3万円台〜20万円台で、中心価格は7万〜8万円。すでに3月1日から営業しているが、「新館(SC)のオープン効果もあり、これまで本館(百貨店)で取り込めていなかった20〜30代の女性の利用が多い」(担当の福場由実バイヤー)という。
2階の特選フロアにはメンズ雑貨の自主編集売り場「ギャラリー ル シック」を設けた。350平方メートルを革小物、ストール、帽子、アクセサリー、コスメ、フレグランス、デンタルケア、酒、盆栽などのMDで構成。百貨店の商品分類の枠を超えたユニークな売り場作りで、顧客の買い回りを促す。
新しい設備の目玉は、建物が重要文化財に指定されている本館に整備した屋上庭園だ。約6000平方メートルの広い空間に緑や花々を植えており、都心とは思えない開放感がある。商売の神様である七福神の祠をまつる日本庭園、1933年の竣工時からある噴水や花壇を生かしたローズガーデン、夏にはビアガーデンを予定するイベントスペースなどで構成するほか、4月には常設のカフェを開く予定だ。
本館1館の裏手には車寄せを作った。来店客の車だけでなく、タクシーも屋根のあるスペースで乗降できるようになる。車寄せ玄関にはインフォメーションとクロークを設け、より快適な買い物環境を整える。4月3日には南駐車場を有料予約制の「ヴァレパーキング」に改装。事前に予約した客の車を専用レーンで預かり、駐車を代行する。買い物の際、スタッフに伝えれば商品を車まで届けてくれる。