ナノ・ユニバースは本社を移転し、3月から新オフィスでの業務を開始した。旧本社と同じ渋谷・神南にあるビルの2〜7階で、面積は1683平方メートル。これまで神南の4カ所に分散していた本社機能を1カ所にまとめ、約150人がコミュニケーションを密にしながら働ける環境を作る。
ニューヨークのリノベーションホテルから着想を得て設計した。白やグレーを基調にしながらフロアごとに印象を変え、机や椅子、照明、室内装飾も選び抜いたものを採用した。床や壁などの内装のポイントになっているタイルは60種類。女性用のパウダールームはフロアごとに水回りや床や壁のデザインを変える凝りようだ。最上階の7階にミーティングスペースを設け、各フロアにも休憩や打ち合わせができるスペースを配することで、社員相互の行き来を促す。
内装デザインを手掛けたのは同社の濱田博人社長だ。海外のホテルやレストラン巡りを趣味にしており、その知識を総動員した。「もちろん建築や設計は素人だけど、(サンエー・インターナショナルやTSIホールディングスで)店舗開発担当を長くやっていたので、予算を抑えてオシャレな内装を実現する方法は熟知していた」と言う。タイルなどの資材も自ら探し、キャビネットの一部は「イケア(IKEA)」で購入した。「内装にかかる費用は通常より大幅にカットできた」と胸を張る。
ナノ・ユニバースは数年にわたる構造改革が実を結び、2019年2月期業績は営業利益で過去最高を達成する見通し。新本社への移転を機に、成長戦略に本腰を入れる