イタリア・プラート発のテキスタイルメーカーのベステ(BESTE)はどんな色も再現して染色し最短48時間で届けるサービス“ベストーネ(BESTONE)”を開始した。専用アプリ「bestone」はアップストアから無料でダウンロードできる。
エリアによってオーダーから最短48時間、最長20日程度で手元に届く。日本では3月26~28日に開催される輸入生地の展示会「JITAC」で発表し、4月以降にサービスをスタートさせる。
色は専用のカラーメーター(600ユーロ、約7万5600円)で直接読み込むか、またはスマートフォンなどで撮影した“色”も再現できる。サイズは5×5cmから最大5×5mまで、染色可能なテキスタイルは、紡毛品、梳毛品、綿100%ツイル、ポプリン、ビスコースポプリン、絹デシン、麻キャンバス、ナイロンタフタの8種類。料金は、紡毛のウールで5×5cmが15ユーロ(約1890円)、3m幅が225ユーロ(約2万8350円)など。
「3年にわたった開発で、色を計測できるようになった。18の数列が3列に並ぶコードに変換し色を読むことができる」とジョヴァンニ・サンティ(Santi Giovanni)最高経営責任者は語る。
ベステは2004年に自社の染色工場を設けており、「これまでにわれわれは100万を超える色や柄を作ってきた。クライアントの要望に応え、シルクやコットン、リネンやレザーなど素材に合わせて調整してきた。一方で、カラーサンプル作りはコストが高く、染色のための時間や生地などのロスも多いので、このデバイスを使えば環境にも配慮できる。色サンプル確認のための輸送時の二酸化炭素排出量も削減できる」と胸を張る。
ベステは、20年までに有害物質排出ゼロを目指す環境NGOグリーンピースの「デトックス宣言」に賛同し、また、環境汚染の原因となるPFC(過フッ素化合物)を使用せずはっ水加工を含め全ての加工を行っている。また、素材に関しても要望があれば、オーガニック基準GOTS(グローバル・オーガニック・スタンダード)やダウンおよびフェザー製品の動物の福祉に関する基準RDS(レスポンシブル・ダウン・スタンダード )の認証を得たものを用いているという。