ファッション

「アニエスベー」とコラボするフレンチポップの新ミューズ、ジェインの素顔

 フランス人シンガー・ソングライターのジェイン(JAIN)は、今世界が熱い視線を送るクリエイターだ。フランスのトゥールーズに生まれ、父の仕事の関係でドバイ、アブダビ、コンゴで育ち、幼い頃から異文化の音楽やアートに触れた。自身で作詞作曲し、軽快でユニークなリズムとメッセージ性のある歌詞が特徴だ。学生時代には画家を目指してパリの芸術学校でアートを学んだ経緯もあり、ファッションブランドの「アニエスベー(AGNES B.)」とは、自身が描いた絵を用いたコラボレーション商品も発表した。そして「アニエスベー」2019年春夏コレクションではランウエイで熱唱した。今年1月には初めて来日して東京でライブを開催。8月には「サマーソニック2019(SUMMER SONIC 2019)」への出演も決まった。

WWD:日本での初ライブの感想は?

ジェイン:楽しかったわ!東京に来られるだけでもうれしいのに、ライブができる日が来るなんて夢のようだった。日本には昔から興味を持っていたので、ここで自分の音楽を披露できたことは特別な体験だったわ。今世界中をツアーで回っているけれど、フランスや日本、アメリカなど各国で異なる反応を見られるのが面白い。音楽は皆を一つにして、ハッピーになれるところが好き。

WWD:「アニエスベー」とコラボレーションしているが、ブランドとの出合いは?

ジェイン:ファーストアルバムに収録した楽曲「COME」などのMVで衣装として着用したことがきっかけ。ちょうど衣装を自分で探していたときに「アニエスベー」のブティックの前を通って、パッと目についた丸襟付きの白と黒のドレスに「これだ!」と感じたの。いかにもパリジェンヌっぽいフレンチシックなデザインが、ポップで明るい音楽にぴったりだった。そのMVをアニエスベー本人が見てくれて、会うことになったわ。

WWD:アニエスベーに会ってみて、どのような印象を受けた?

ジェイン:アニエスベーはオープンマインドでポジティブで、本当にやさしくて素敵な人。彼女との出会いはアーティスティックな体験だったわ。私に興味を持ってくれて、たくさんの質問をしてくれて、将来的に何か一緒にできるかもしれないと模索してくれた。本人に会えたなんてとても幸運なことなので、今後も協業をしていきたい。私は同じメンバーで長く家族のように仕事をしていきたいタイプだからこの出会いを大切にしたい。

WWD:コラボレーションした商品について教えてほしい。

ジェイン:セカンドアルバムの「Souldier」では、平和を願う気持ちを込めて書いた曲を収録し、フランスの平和の象徴である鳩の絵をたくさん描きました。それをアニエスベーに見せたら気に入ってくれて、鳩のモチーフを使ったコレクションを出すことに決まったの。

WWD:なぜ、平和を題材にしたのか?

ジェイン:最近、世界中で恐怖が蔓延していると思う。パリではテロ事件以降、危険を恐れている人が多いなかで、未来に対して楽観的になれて人々に自信を与えられるようなものを作りたかった。「私はここにいるよ」と伝えて、音楽をシェアすることが大切だと思ったの。

WWD:音楽で影響を受けたアーティストは?

ジェイン:一番を挙げるなら、ボブ・マーリー(Bob Marley)。世界中の人たちを引きつける独特な音楽がすばらしいと思う。ポップ・アーティストならビヨンセ(Beyonce)。ラッパーならケンドリック・ラマー(Kendrick Lamar)、そしてナイジェリアのアーティストのフェラ・クティ(Fela Kuti)が好き。ほかにもたくさんいて挙げ出したらキリがないわ(笑)。

WWD:学生時代にはアートを学んでいたと聞いたが、いつから絵を描いているのか?

ジェイン:幼い頃からずっと描き続けている。6歳のときにバスキア(Jean-Michel Basquiat)の絵に出合ってとても衝撃を受けて、画家になりたいと思ったの。アブダビでの高校生時代には授業中でも絵を描いていて。高校を卒業後、パリの芸術学校に通ったんだけど音楽に集中したくなってやめたの。

WWD:日本の漫画が好きだと聞いたが、どの作品が好きか?

ジェイン:10代の頃は「ワンピース」にハマったわ。ストーリーも絵のテイストもお気に入り。キャラクターも全員おもしろい。あとは、ジブリ美術館が東京にあると聞いたので行ってみたい。

WWD:普段はどのようなファッションが好き?

ジェイン:スタイルという意味では「アニエスべー」が大好きだけど、異なるテイストのものをミックスするのも自分らしいと思う。「アニエスべー」のようなクラシックなものと、古着やスポーツ、ストリート系のものを交ぜたりとか。ビンテージショップにも行くし、「ナイキ(NIKE)」でスポーツウエアも買うことも。

WWD:初めての東京の印象は?

ジェイン:来る前は、パリと比べて未来的な都市というイメージを持っていたんだけど、本当にその通りだった。テクノロジーが本当に発達している。楽器店ではシンセサイザーがいっぱい置いてあって、すごく好奇心を刺激されたわ。日本人は親切で礼儀正しいのもいいところだと思う。

WWD:今後の目標や夢は?

ジェイン:もっとアートと音楽を融合できたらいいなと思っているわ。今は絵を描く時間があまりないから、展示できるほど作品数がないけれど、一度パリのギャラリーから展示のオファーをもらったこともあったから、将来的に個展とかもできたらうれしい。

関連タグの最新記事

最新号紹介

WWDJAPAN Weekly

2025年春夏ウィメンズリアルトレンド特集 もっと軽やかに、華やかに【WWDJAPAN BEAUTY付録:2024年下半期ベストコスメ発表】

百貨店、ファッションビルブランド、セレクトショップの2025年春夏の打ち出しが出そろった。ここ数年はベーシック回帰の流れが強かった国内リアルクローズ市場は、海外ランウエイを席巻した「ボーホー×ロマンチック」なムードに呼応し、今季は一気に華やかさを取り戻しそうな気配です。ただ、例年ますます厳しさを増す夏の暑さの中で、商品企画やMDの見直しも急務となっています。

詳細/購入はこちら

CONNECT WITH US モーニングダイジェスト
最新の業界ニュースを毎朝解説

前日のダイジェスト、読むべき業界ニュースを記者が選定し、解説を添えて毎朝お届けします(月曜〜金曜の平日配信、祝日・年末年始を除く)。 記事のアクセスランキングや週刊誌「WWDJAPAN Weekly」最新号も確認できます。

ご登録いただくと弊社のプライバシーポリシーに同意したことになります。 This site is protected by reCAPTCHA and the Google Privacy Policy and Terms of Service apply.

メルマガ会員の登録が完了しました。